工場のホームページには、加工を依頼したい方も、仕事に関心を持った方も訪れます。設備の写真や会社概要が充実していても、「この部品を相談できるか」「ここではどんな仕事をするのか」という疑問への答えが、同じ長いページに混ざっていることがあります。

見直す際は、取引の相談と仕事を知るための案内を分け、会社名や拠点などの共通情報は一つの管理先から使う構成がおすすめです。二つの案内を作ることと、会社概要を二組作ることは別に考えます。

豊中市で工場の情報発信を担当されている方へ、営業と採用で必要な情報を整理し、本社の移転が工場の勤務地の誤表示につながらない構成まで、具体例でご紹介します。

同じ工場を知るときも、確かめたいことは異なる

豊中市が紹介した「とよなかオープンファクトリー2026」は、市内在住の小学生が事業所や工場を訪ね、ものづくりや仕事の現場に触れる催しでした。市の開催案内は2026年8月10日更新で、終了したことが明記されています。

こうした地域の体験は、普段目にしない工場の仕事を知る機会です。一方、企業サイトに必要な取引の相談や採用の案内は、この子ども向けイベントの参加案内とは分けて用意します。工場を知ったきっかけが何であっても、その方が今確かめたいことから読める構成にするためです。

加工を依頼したい方は、対応できる内容、相談に必要な資料、品質の確かめ方を探します。働くことに関心がある方は、仕事内容、働く場所、現在の募集、質問できる窓口を探します。入口が同じトップページでも、その後に読む情報の順番は変わります。

そこで、トップページには会社の仕事を短く紹介したうえで、「加工・取引について相談したい」「工場の仕事を知りたい」という入口を用意します。社員や設備の写真を営業用・採用用と機械的に分けるより、何を理解していただくために使うかを先に決めましょう。

営業と採用の構成を、一社の例で整理する

ここからは、本社H01と製造工場F01が別の場所にある会社の架空例です。F01ではアルミケースEX-A03などの部品を製作しています。取引の相談は営業担当、仕事や職場見学の相談は採用担当が受け、会社の基本情報は総務担当が確認する体制とします。

現在のサイトは、設備紹介の下に募集のお知らせが続き、どちらの用件でも同じ「お問い合わせ」へ進む構成です。会社概要の文章と住所は、会社案内、加工紹介、採用案内へそれぞれコピーされています。修正する人も異なるため、どの記載を見ればよいか分かりにくくなっています。

見直し後は、加工の相談に必要な情報と、仕事内容を知るための情報を別ページで受け持ちます。会社の基本情報は共通の会社案内に集めます。次の表は、ページ名だけでなく、読む目的と案内先まで入れた構成例です。

来訪目的 必要情報・共通情報・相談先
加工を相談したい 必要情報:EX-A03などの加工内容、対応を確認したい条件、相談前の資料。共通情報:会社案内の法人情報と工場F01。相談先:加工相談の窓口から営業担当へ。図面がある場合の渡し方も案内する。
仕事を知りたい 必要情報:F01での仕事内容、働く環境、現在の募集、職場見学を相談する方法。共通情報:会社案内の事業内容と工場F01。相談先:採用案内から採用担当へ。加工の見積り依頼とは分ける。
会社や拠点を確かめたい 必要情報:会社名、本社H01と工場F01の役割・所在地、沿革など。共通情報:会社案内を管理先とし、営業・採用のページから参照。相談先:読んだ後の目的に応じ、加工相談か採用案内へ戻れるようにする。

営業用と採用用に、別のホームページを新しく作ることから始める必要はありません。この例では同じサイト内で二つの案内を整えます。必要な説明と更新担当を整理したうえで、別サイトにする理由があるかを制作会社と検討します。

加工を相談する方は加工内容から営業担当へ、仕事を知りたい方は仕事内容から採用担当へ進み、両方から共通の会社案内を参照する構成図

同じ設備写真でも、説明を読む目的に合わせる

EX-A03の加工に使う設備を紹介する場合、営業のページでは、どの工程を担当し、相談前に何を確認するかを添えます。設備があることだけで、あらゆる材質や寸法の加工を引き受けられるように書かないことも大切です。実際の対応範囲は、現場と営業で確かめて掲載します。

仕事のページでは、同じ設備の型式を繰り返すより、担当する方が何を準備し、加工後に何を確認するのかを説明します。「設備を操作する仕事」だけでは伝わりにくければ、段取り、確認、記録など、公開できる作業の流れを短く示します。

同じ写真を両方に使っても構いませんが、写真が説明できる範囲は合わせます。加工の能力を示す写真に、写っていない働き方まで読み取らせることはできません。人物が写る場合は、掲載する場所と内容を本人へ確認し、取引先の図面や表示物が背景に残っていないかも見ます。

一方、会社名、沿革、本社・工場の所在地を、読み手ごとに別の事実として書き換える必要はありません。ここは共通情報です。「何をつくる会社か」という短い説明は各ページに添えつつ、詳しい法人情報や拠点一覧は会社案内へつなぎます。

会社概要を共通にしても、本社と勤務地は混ぜない

この会社で本社H01だけが移転し、製造工場F01は同じ場所で稼働を続けることになったとします。加工相談の対象も、募集している製造の仕事もF01に関係しています。本社が移ったという理由だけで、採用ページの勤務地や工場見学の案内まで新本社へ変えることはできません。

共通の会社案内では、「本社H01」と「製造工場F01」を別の拠点として登録します。本社の所在地を直すときはH01を更新し、F01の所在地は維持します。加工紹介から工場を確認するリンクも、採用案内から働く場所を確認するリンクも、F01の情報へ進めるようにします。

採用ページに必要な勤務地の記載を、会社案内へのリンクだけで省くわけではありません。「勤務する場所:製造工場F01」とその所在地を、募集内容と合わせて読める位置へ示します。その住所の値を共通の拠点情報から表示できれば、同じ所在地を担当者が何度も入力する負担を減らせます。

共通の拠点情報で本社H01と工場F01を分け、加工紹介と採用の勤務地表示は工場F01を参照する図

共通化する対象は、同じ場所や同じ事実を表す項目です。問い合わせ先まで一つにする必要はありません。加工を相談する窓口は営業担当、仕事や見学について尋ねる窓口は採用担当という分担を残します。本社代表番号を載せる場合も、そこへかければどちらの相談も完結するのかを確認します。

管理画面で共通情報を直せば全ページが変わる仕組みなのか、それともリンク先だけが変わるのかは、見た目から判断できません。制作会社には、会社案内だけでなく、加工紹介や募集ページの住所がどこから表示されているかを確かめてもらいます。

本社移転の一件で、更新する場所を確かめる

H01の移転を反映するときは、総務担当が新しい本社所在地と切替日を確認し、制作会社へ共有します。公開前の画面で、会社案内の本社欄が新しい所在地になり、工場F01の欄が変わっていないことを確かめます。

次に、営業担当が加工紹介から会社案内へ進み、工場を確認できるかを見ます。採用担当は仕事内容と募集のページを開き、勤務する場所が引き続きF01として表示されているかを見ます。共通情報を直した担当だけでなく、その情報を使う方が確認すると、目的に合わない変更に気づきやすくなります。

以前コピーした住所が残る場所も確認します。ページ本文のほか、地図、保存用の会社案内、画像に入れた文字、問い合わせ後の返信に旧本社を記載している場合があります。今回使う箇所を一覧にし、それぞれを更新するのか、共通の会社案内へ誘導するのかを決めます。

本社H01だけの移転では本社所在地を更新し、工場F01と採用の勤務地を維持したうえで、営業と採用の両方から表示を確認する図

反対にF01の所在地や働く場所が変わる場合は、会社案内だけを修正して完了にはできません。加工の相談先、見学の案内、募集内容に影響するかを各担当が確かめます。共通の値を表示できることと、その変更が仕事の条件に合っていることは別々に確認します。

この一件を公開前の確認に使うと、会社概要を集約したつもりでも、採用ページには古い文章が残っていたという問題を見つけられます。移転の予定が実際にはなくても、確認用の環境で一項目を変え、どこに反映されるかを制作会社から見せてもらう方法があります。

原稿整理と、管理の仕組みを変える作業を分ける

まず原稿で直せるのは、設備紹介に混ざった募集案内を仕事のページへ整理すること、加工と採用の入口の言葉を変えること、重複した長い会社概要を短くして共通ページへリンクすることです。既存の編集機能が使えるなら、今あるページを活かせる範囲があります。

一方、本社・工場を分けた共通項目の管理、募集ページでの工場所在地の参照、目的に合った相談項目と通知先の設定は、仕組みの確認が必要です。単に住所を一か所書き換える作業として依頼せず、「どの情報を一度の更新で、どのページへ表示したいか」を示します。

この例の制作依頼では、営業の案内、仕事の案内、共通の会社案内を整理し、H01とF01の表示元を確認します。営業窓口では加工相談に必要な内容を受け、採用窓口では仕事や見学の用件が採用担当へ届くようにします。新しい営業管理システムや採用管理システムとの連携まで必要かは、別に検討します。

資料として用意したいのは、現在のページ一覧、会社案内の原本、本社と工場の役割が分かる拠点表、公開できる加工写真、現行の募集情報です。問い合わせ先と、内容を確認する営業・採用・総務の担当も添えます。原稿の正しさと画面の反映を、誰が確認するかまで相談できます。

Bämのコーポレートサイト制作では、資料やお話に基づく原稿の整理、ページ構成、更新機能、公開前の表示・フォーム確認を案内しています。今回のような見直しでも、文章やリンクの整理で対応できる部分と、共通情報の表示や受付の改修が必要な部分を分けて検討できます。

営業と採用のページを分ける際に、社内で更新する方法も一緒に整理したい方は、豊中市のホームページ制作・改善のご相談をご覧ください。現在のページと構成表、本社・工場の拠点資料をもとに、どの情報を共通にし、どの案内を個別に用意するかを検討できます。

二つの読み方で、公開後の使いやすさを確認する

最後に、EX-A03の加工を相談する方と、F01の仕事を知りたい方の二通りでページをたどります。営業担当は加工の説明から相談に進めるか、採用担当は仕事内容から現在の募集や見学の相談へ進めるかを確認します。会社案内を途中で読んだ場合も、元の目的へ戻れることを確かめます。

スマートフォンでは、設備一覧の表を読み終えないと採用案内が見つからない状態や、共通ページに移ると加工相談の場所が分からなくなる状態がないかを見ます。目的別の入口は、トップだけでなく、それぞれの詳しいページへ直接来た方にも分かるようにします。

公開後は、営業・採用の用件を分けて振り返ります。誤った窓口へ届く相談があれば、ボタンの言葉、読む順番、通知の設定のどこで行き違いが起きたかを確認します。会社の基本情報は総務、加工の内容は営業と現場、仕事と募集は採用担当が見直し、必要な変更を制作会社へ伝えます。

二つの案内を分けることで、それぞれの説明を厚くしながら、同じ会社について違う情報が残る状態を減らせます。読み手の目的に合わせた入口と、共通情報を保つ仕組みを一緒に整えることが、工場のホームページを見直す際の出発点になります。

参考資料