ホームページ制作は、原稿や写真をすべてそろえるところからではなく、目的・現在の困りごと・未決定事項を制作会社と共有するところから始まります。その後は、相談と目的整理、企画と範囲決定、構成と素材準備、デザインと実装、確認と公開、運用へ進みます。

初めて外注するときに工程名を暗記する必要はありません。重要なのは、制作会社が形にする時間と、自社が事実や優先順位を判断する時間が交互に来ると理解することです。何が決まり、何が未定で、誰の確認を待っているかが見えれば、素材が未完成でも進められる作業を切り分けられます。

制作を始める前に目的や必要情報をどう決めるかは、初めての会社ホームページ制作の全体像で確認できます。本稿では、その目的を制作会社と共有した後、各工程で何を作り、発注側が何を確かめるかに焦点を当てます。

ホームページ制作の流れは6段階で捉える

制作会社によって工程の名称や区切り方は異なりますが、発注側から見ると、次の6段階に整理できます。

段階主な作業次へ進む前の判断
1. 相談・目的整理事業、現在の困りごと、見てほしい相手、希望時期を共有する制作で解決したい問題を説明できるか
2. 企画・範囲決定必要なページ、機能、問い合わせ・応募・購入までの流れ、役割分担を整理する今回作る範囲と見送る範囲が分かれているか
3. 構成・素材準備情報の順番を決め、原稿・写真・資料を集める掲載事実と不足素材を把握できているか
4. デザイン・実装構成を画面表現へ落とし込み、ブラウザで動く状態にする目的に合う表現と機能になっているか
5. 確認・公開内容、表示、リンク、フォームなどを点検して公開する事実として公開でき、利用者が目的の行動へ進めるか
6. 運用・改善情報更新、保守、利用状況に応じた改善を続ける更新する人と外部へ依頼する範囲が決まっているか

順番を決める基準は、後戻りしたときの影響です。主要ページの役割を決める前に装飾を詰めても、構成が変われば作り直しになります。一方、細かな実績やFAQは、現在の内容で誤解が生じない設計なら公開後に追加できる場合があります。

会社案内を中心にする場合のページ構成はコーポレートサイトの基本構成、公開後に自社で更新する仕組みは中小企業向けCMSの選び方で詳しく確認できます。制作会社を決める前ならホームページ制作会社を選ぶ7つの基準、依頼後の行き違いを減らしたい場合はWeb制作を依頼・進行するときの基本も併せて確認してください。

最初の相談では完成した企画書より「判断の材料」を用意する

相談前にページ数やデザインを決め切る必要はありません。要件がまとまらない場合は、要件が曖昧な状態から相談を始める方法を参考に、分かっていることと分からないことを分けてください。

会社資料と製品写真を囲んでホームページ制作の目的と未決定事項を相談する日本の中小企業経営者と制作担当者
完成した企画書がなくても、今ある資料と未決定事項を同じ机に並べれば相談を始められます。写真は打ち合わせのイメージです。

最初の相談メモには、次の内容があれば十分です。

  • ホームページが必要になったきっかけ
  • 現在の案内方法と、そこで起きている問題
  • 主に見てほしい相手と、伝えたいこと
  • 閲覧後に取ってほしい行動
  • 公開を希望する時期と、その理由
  • 現時点で決まっていないこと
  • 社内で内容を確認する人と、最終的に決める人

「アクセスを増やしたい」「見栄えを良くしたい」だけでは、公開後の評価が曖昧になります。Bämでは、問い合わせ、採用、購入、取引先への説明など、ホームページで増やしたい行動から制作内容を考えます。見た目、SEO、文章量、機能は、その目的を支えるために選びます。

既存サイトがある場合は、見た目の不満だけでなく、情報が探せない、問い合わせ先が分かりにくい、更新できないといった問題を分けて確認します。点検項目は既存サイトの問題を発見する診断方法で詳しく確認できます。

発注側と制作会社の役割を工程ごとに分ける

外注しても、事業上の事実や優先順位まで制作会社へ任せることはできません。ただし、発注側が専門的な解決方法まで設計する必要もありません。自社は目的、事実、制約、公開可否を判断し、制作会社はそれを伝わる構成、文章、画面、機能へ変換します。

工程制作会社が主に形にすること発注側が主に判断すること
相談・企画課題の整理、選択肢、制作範囲の案目的、対象者、予算や時期の条件
構成ページの役割、情報の順番、問い合わせまでの流れ掲載するサービス、伝える事実、問い合わせ方法
原稿・写真文章編集、見せ方、撮影や素材の提案内容の正確さ、権利、掲載してよい範囲
デザイン・実装表現、レイアウト、機能、表示調整目的に合う方向性、追加要望の優先順位
確認・公開動作確認、修正、公開作業最終的な事実確認、公開承認、運用担当

修正を依頼するときは、「好きではない」「もっと目立たせたい」だけで終わらせず、誰が何に迷うのか、どの目的に合わないのかを添えます。直し方が分からなくても、目的を保てる案を提案してほしいと伝えれば、制作会社が解決方法を考えられます。

原稿や写真は完成・未完成の二択にしない

素材が不足していても、構成、撮影計画、必要情報の洗い出しは進められます。制作を止めやすいのは不足そのものではなく、公開に使える素材と仮素材の区別がついていない状態です。

状態意味次の対応
確定内容と使用権限を確認し、公開に使える正本の保存場所を記録する
構成やデザインを確認するための一時素材差し替える担当者と期限を決める
要確認内容または掲載許可の回答待ち確認者と回答期限を記録する
不足必要だが、まだ用意されていない作成、撮影、購入、公開後追加から選ぶ

必要な資料の種類や準備方法は、ホームページ制作前に必要な原稿・写真・資料で個別に確認できます。親記事である本稿では、素材を工程全体のどこで判断するかを押さえておきましょう。

リニューアルでは現行URLの扱いも公開前に決める

既存サイトを作り直す場合は、現在公開されているページを把握し、残す、更新する、統合する、削除する、保留するの判断が必要です。検索や外部サイト、営業資料から利用されているURLを見落とすと、公開後に必要な情報へ到達できなくなるおそれがあります。

URLの収集方法や移行表の作り方は、ホームページリニューアル前のURL棚卸しで詳しく解説しています。制作工程では、構成を確定する前に棚卸しを始め、公開前に旧URLごとの処理と確認担当を決めます。

制作期間を左右するのは作業時間だけではない

スケジュールには、制作会社が作業する日だけでなく、自社が内容を確認する日、関係者から回答を集める日、修正依頼をまとめる日も含めます。構成の確定、主要デザインの承認、実装開始、公開承認は、後戻りの影響が大きい節目です。

  • 確認事項ごとに回答者と期限を置く
  • 複数の意見は社内窓口が一つにまとめる
  • 事実の訂正、目的上の判断、好み、追加要望を分ける
  • 期限までに決められない項目は、仮置き・範囲縮小・公開後追加を検討する
  • 変更時は費用、日程、他ページへの影響を確認する

公開希望日が動かせない場合は、すべてを急ぐのではなく、その日までに何を使える状態にする必要があるかへ戻ります。公開日、制作範囲、確認品質を同時に保てないなら、発注側が優先順位を決め、制作会社が実現方法を提案する流れにします。

Bämの標準制作は3回の確認を区切りに進める

Bämのオリジナル制作は、通常3〜4か月が目安です。構成、デザイン、公開前のテスト環境という3回の確認を大きな区切りにし、各段階で合意した内容を次の工程へ渡します。大きな修正はプロジェクト全体で3回までを基本とするため、細かな指摘を社内でまとめ、どの目的に関わる修正かを添えると判断しやすくなります。

確認の区切り発注側が確認すること確認後に進むこと
構成ページの役割、掲載範囲、情報の順番原稿・写真の具体化
デザイン会社らしさ、読みやすさ、主な行動の分かりやすさ各ページの実装
公開前のテスト環境事実、表示、操作、フォーム、公開可否本番公開と運用引き継ぎ

支払いは着手時50%、完成確認後50%が基本です。制作するホームページの種類と範囲はBämのホームページ制作サービス、費用の考え方はホームページ制作料金で確認できます。

公開前チェックリスト

公開前は、パソコンだけでなくスマートフォンでも、重要な情報と問い合わせ方法を実際にたどります。制作担当者だけで終わらせず、社内の最終確認者が事実と公開可否を確認します。

パソコンとスマートフォンで公開前のホームページを確認する日本の中小企業担当者と制作担当者
公開前は、内容、表示、操作、問い合わせの受け取りまで、実際の端末で順に確かめます。写真は確認作業のイメージです。
  • 会社情報、サービス内容、料金や条件を担当者が確認した
  • スマートフォンでも主要情報と問い合わせ方法を確認できる
  • リンク、フォーム、通知先、ダウンロードが正しく動く
  • 仮の文章や画像、公開対象外の情報が残っていない
  • 既存サイトのURLごとの公開・転送・削除方針が決まっている
  • ドメイン、サーバー、CMSの契約者と管理者が分かる
  • 公開後の更新、保守、改善の担当と連絡先が決まっている

公開後は「守る」と「育てる」を分けて考える

公開は制作の終点ではありません。WordPressやサーバーを安全に保ち、軽微な修正を続ける仕事は保守・管理、検索や利用状況を確認して問い合わせにつながる説明を改善する仕事はSEO・集客支援です。社内で行う更新と外部へ任せる作業を分け、連絡先と判断者を決めておきます。

ホームページ制作の最初の一歩は、完成資料を作ることではありません。目的、困りごと、希望時期、未決定事項、決定者を書き出し、判断の地図を作ることです。Bämでは、企業が積み重ねてきた価値を整理し、読み手が理解し、納得し、次の行動へ進める形にします。進め方や未決定事項を一緒に整理したい場合は、Bämへ相談するから現状をお聞かせください。

参考資料