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ブックマークさせる工夫と覚えてもらうサイト設計

ブックマークされる重要性
多くの中小企業が運営するサイトでは、新規顧客との出会いは検索エンジンなど外部からの流入が中心となりがちです。しかし、ビジネスを長期的に安定させるうえで、継続的にサイトを訪問してもらうことは大きな意味を持ちます。ブックマークは、その継続訪問を後押しするきっかけの一つです。ユーザがわざわざブックマークしてくれるということは、「また見たい」「必要な情報がある」「購入意欲が高い」などの前向きな気持ちを持ってもらえている証拠でもあります。
例えば実店舗なら「また行きたい」と思ってもらえるように、入り口や店内の雰囲気、サービスの質、案内やサポートなど、さまざまな工夫が凝らされています。Webサイトにおいても同様に、訪問者が自然に「もう一度ここに来たい」「ここでしか得られない情報がある」と感じられるような要素を散りばめることが重要になります。さらにブックマークされた場合、SNSなど外部のタイムラインに流されてしまうリスクも下がり、効率的にリピートアクセスにつなげられます。
ユーザにとっての「覚えてもらうサイト」
ブックマークしてもらうためには、ユーザが「覚えておこう」と思う要素を用意する必要があります。たとえば以下のようなポイントを意識すると、ユーザにとっての「覚えてもらうサイト」に近づきます。
- 独自性や専門性
他では見られない商品の紹介や専門性がある情報があると、「ここでしか得られない」とユーザは感じます。 - 更新性・鮮度
更新の頻度が低いと、一度見てもらっただけで終わる可能性が高まります。新着コンテンツを定期的に発信することが重要です。 - 利便性・操作性
使いづらいサイトは、何度も訪問したいとは思われません。シンプルで直感的なUIを心がけましょう。 - ブランドや世界観
サイト全体が分かりやすい世界観で統一されていると、一度訪問したユーザの印象に残りやすくなります。
以下の表は、ユーザがブックマークしたくなる要素を一般的なサイトと比べた場合の違いを整理したものです。
要素 | 一般的なサイト | ブックマークしたくなるサイト |
---|---|---|
独自性・専門性 | 情報がやや表面的で、どこでも見られる内容 | ユニークな切り口・深い内容でユーザの関心を引く |
更新頻度・鮮度 | 更新が不定期、または更新されても告知がない | 定期的な更新とわかりやすい告知や通知手段がある |
利便性・操作性 | ナビゲーションが複雑で、探したい情報にたどり着きにくい | シンプルなメニュー構成と一貫した導線設計 |
ブランド力 | サイトに一貫性がなく、個性が薄い | デザイン・世界観に統一感があり、印象に残りやすい |
ブックマークは、ユーザが「自分にとって役立つ・必要なサイトだ」と感じたときに行われます。その基準は多岐にわたりますが、まずは「自社サイトならではの強みは何か」「ユーザにとってわかりやすい導線はあるか」といった根本的な点を改めて確認してみましょう。
ブックマークを促すサイト設計の具体例
ブックマークを促すための施策はいくつかありますが、ここでは代表的な例を紹介します。
ブックマークボタンや呼びかけの設置
意外と見落とされがちなのが、ブックマーク登録を促す簡単なボタンや一言メッセージを用意することです。たとえば記事の最後やサイドバーなどに「お気に入りに登録しておくと便利です」などの呼びかけをさりげなく配置するだけでも、ある程度の効果が期待できます。特に高齢の方やWeb操作に慣れていないユーザにとっては、ブックマークのやり方すら不明瞭な場合があります。呼びかけや解説があると、ブックマークのハードルを下げられます。
ユーザログインやマイページ機能
定期的に更新される情報を管理するマイページや、購入履歴、ポイント履歴などがまとめられているページは、ユーザにとって「再来訪時に見る意味のある場所」になります。このように「自分専用の情報がある」と感じられる仕組みがあれば、サイトをブックマークしてくれる可能性が高まります。中小企業でも、会員登録やポイント制を導入することでリピーターとの関係強化を図れます。
サイトロゴや視覚的要素への工夫
サイトを覚えてもらうためには、ヘッダーやサイトロゴのデザインを統一し、インパクトある色使いやキャッチフレーズを加える方法も有効です。ユーザは訪問した際に受け取る第一印象で、そのサイトのイメージを記憶します。分かりやすいロゴ・色・レイアウトを効果的に配置することで、「あ、あのサイトだ」とすぐに思い出してもらいやすくなります。
継続訪問を促すコンテンツ戦略
ブックマークしてもらうだけでなく、その先の継続訪問をどのように促すかも重要なテーマです。一度ブックマークしたきり、再訪問しないユーザも少なくありません。継続訪問を促すためには、次のようなコンテンツ戦略が考えられます。
- 定期連載や特集コーナーの用意
たとえばブログやコラム、商品紹介のコーナーで、毎週決まったテーマで更新するなど「今週はどんな内容だろう?」とユーザが期待する仕掛けを作る。 - 読みやすい記事構成・目次
長文になりがちなコンテンツでも、見出しや要点をわかりやすく整理して、すぐに情報を得られるようにする。 - 過去の記事の活用
アーカイブを整理し、新規記事から過去記事への導線を整える。関連記事やカテゴリリンクを配置し、サイト内回遊を活発にする。 - 更新情報を伝える仕組み
メルマガやプッシュ通知、SNSなどで最新情報をこまめに配信し、ユーザにチェックしてもらいやすい形を整える。
以下の表は、コンテンツ戦略を立案する際に確認しておきたい要素を簡単にまとめたものです。
項目 | 例 | 留意点 |
---|---|---|
更新頻度 | 週1回、月2回など、どれくらいのペースで更新するか | 更新の頻度を守る仕組みを作らないと、三日坊主になりがち |
ターゲットユーザ | 新規顧客、リピーターなど | どの層に向けて書くか明確にしないと内容がぼやける |
記事のテーマ・形式 | 商品レビュー、専門コラム、事例紹介、インタビュー | 多様な形式を取り入れ、飽きさせない工夫が必要 |
メディアミックス | SNS連動、動画配信など | プラットフォームごとの特性を理解し、使い分けを意識する |
更新情報の告知 | メルマガ、RSS、SNS投稿など | ユーザがどの手段で情報を受け取りやすいかを調査する |
SNSやメルマガとの連動方法
ブックマークを促すには、サイトに再訪しなくても更新情報が目に入る仕組みを作るのがポイントです。SNSやメルマガとの連動で、最新の記事や新商品の案内を見かけた際に「そういえばブックマークしてあったな。久しぶりにサイトを見てみよう」と思わせるきっかけを増やせます。
- SNSの活用
TwitterやInstagram、Facebookなど、多くのユーザが日常的に利用するSNSで更新情報や新商品情報を発信します。SNSだけを利用していると、投稿がタイムラインの流れに埋もれてしまう可能性がありますが、ブックマークしている人は定期的にサイトへ来てくれる可能性が高いでしょう。 - メルマガの活用
登録ユーザに向けて最新情報をダイレクトに届けられるメルマガは、ブックマーク済みユーザにとっても「更新があったんだ」と思い出してもらえる効果があります。サイトの運営者の言葉として配信されるため、ファン化につながりやすい面もあります。 - 相互誘導
サイトからSNSやメルマガへの誘導、逆にSNSやメルマガからサイトへの誘導を整えておき、それぞれを上手に組み合わせることでリピーターとの接点を確保しやすくなります。
ブックマーク向上のためのデザインポイント
デザイン性はサイトの「印象」を左右します。第一印象が良ければ「もう一度訪問したい」という気持ちを高めやすいです。また、ユーザが何度も訪問したくなるサイトは、見た目だけでなく、ユーザビリティを重視した作りになっています。
- 視線の動きを意識したレイアウト
サイトの上部に重要な情報を配置し、視線が自然にサイト内を巡回するレイアウトが有効です。バナーやキャッチコピーはシンプルにまとめ、情報が多すぎないようにバランスをとることが大切です。 - カラーとブランドイメージの統一
ページごとに色合いや雰囲気がガラリと変わると、ブランドイメージが曖昧になり記憶に残りにくくなります。統一感を持ったデザインとし、ブランドカラーを所々に使用することで、ユーザに「○○といえばこの色」と印象付けられます。 - 操作しやすい導線設計
情報が多くなるほど、どこに何があるかわかりづらくなります。特に中小企業のサイトは「商品情報」「会社情報」「ブログ」「問い合わせフォーム」など、多数のページが用意されていることが多いです。ヘッダーメニューやフッターメニュー、サイドバーなどの配置に一貫性をもたせ、どのページからでも容易に目的の情報へアクセスできるようにしましょう。
以下の表では、デザイン面で特に注意したいポイントを挙げています。
デザインポイント | 概要 | 効果 |
---|---|---|
統一感のある配色 | 全ページでブランドカラーや背景色を統一する | ユーザに強い印象を与え、記憶に残りやすくなる |
シンプルなフォント選定 | 多種類のフォントを混在させず、読みやすいサイズと行間を確保する | 可読性向上による離脱防止や信頼感の向上 |
適切な画像・アイコン利用 | 商品やサービスイメージが伝わる写真や説明図を効果的に配置 | 視覚的理解を促進し、ユーザの興味を引き付ける |
過度な装飾の排除 | 不要なアニメーションや派手すぎる配色を避け、サイトの目的を優先する | 読み込みスピード改善やユーザビリティ向上に寄与 |
レスポンシブデザイン | PC・スマホ・タブレットなど、端末に応じて見やすさを最適化 | ユーザの状況に合わせた快適な閲覧体験を提供できる |
ユーザ体験を重視した導線設計
ブックマークを促すには、サイト自体が使いやすく、欲しい情報にたどり着きやすい構造を持つことが前提です。以下のような視点で導線設計を見直してみると、ユーザにストレスを与えないサイトに近づきます。
- 情報の階層化
メインメニュー、サブメニュー、記事一覧などを整理し、階層構造をわかりやすく構築します。トップページから数クリックで目的の情報に到達できるのが理想です。 - パンくずリストの活用
現在どのページにいるかを示す「パンくずリスト」を設置すると、訪問者が迷子になりにくくなります。再訪時も「そういえば、このページの階層はこうだった」と思い出しやすくなります。 - ページタイトル・見出しの明確化
記事ページや商品ページのタイトルにキーワードを盛り込み、「何について書かれているのか」がひと目で分かるようにします。訪問者は混乱せずに目的の情報にたどり着け、再訪問時にも「このページにあの情報があった」という記憶を呼び起こしやすくなります。
更新頻度・リピート施策の考え方
ブックマークをしてもらっても、サイトがほとんど更新されなければ再訪問される可能性は低くなります。更新頻度を保つためには、人員や時間、リソースをどこまで割けるかが大きな課題になります。中小企業の多くは、日々の業務が忙しくサイトの更新にまで手が回らないことも少なくありません。
更新を継続する仕組みづくり
- スケジュール管理
週1回なら週1回、月2回なら月2回など、更新頻度を決めてカレンダーに組み込むと、更新の抜け漏れを防げます。 - 社内の協力体制
サイト担当者ひとりに任せきりにするのではなく、各部署やスタッフから情報を集めて記事化できるような仕組みを作ると、ネタ不足を防ぎやすくなります。 - 型を作る
記事テンプレートや商品の紹介パターンをあらかじめ用意しておくと、更新作業をスムーズに進められます。
リピートを生むコミュニケーション
リピート促進に向けては、ユーザと積極的にコミュニケーションを図る方法も効果的です。SNSのコメント欄や問い合わせフォームで寄せられた意見・質問に素早く対応し、サイト内でQ&Aをまとめるなど、来訪者を「大切に扱われている」と感じさせる仕組みを整えると、ファン化につながります。ファン化が進むほど、ブックマーク率も高まり、継続アクセスの源になります。
まとめ
ブックマークされて継続的に訪問されるサイトづくりは、一朝一夕で完了するものではありません。独自性を打ち出し、更新頻度を保ち、デザインや導線を整え、SNSやメルマガと連動した施策をバランスよく組み合わせる必要があります。特に中小企業にとっては、限られたリソースでどれだけ多くの「再訪問のきっかけ」を作れるかが課題となるでしょう。
しかし、地道にコンテンツを育て、使いやすいデザインを保ち続けることで、ユーザに「ここは便利だ」「ここでしか得られない情報がある」と思ってもらえるサイトへと成長していきます。ブックマークしてもらえるかどうかは、単に目立つボタンを置くだけではなく、サイト全体の設計や日々の運用方針が大きく影響するのです。
今一度、自社サイトの現状を見直し、「覚えてもらうサイト」になるために必要な要素を少しずつ取り入れてみてはいかがでしょうか。