
スタッフブログを内製するなら、書く人の熱意だけに頼らず、責任者、話し手・書き手、確認者、入稿・公開担当を決め、勤務時間内に作業枠を確保することが先です。毎週や毎月という本数を先に約束するより、一記事を安全に公開できる流れと、続けられないときの止め方を整えるほうが長く運用できます。
少人数の会社では、一人が複数の役割を兼ねても構いません。ただし「誰かが確認するはず」の状態は避けます。本記事では、スタッフブログを社内で続けるための人と時間の整え方を扱います。テーマや公開予定を並べる方法は、ブログ編集カレンダーの作り方に分けて解説しています。
内製に向くかを本数より先に判断する
社内に詳しい人がいることと、記事を継続して公開できることは別です。次の四つがそろうなら、まず一記事から内製を試せます。欠けるものが多ければ、取材だけ社内で行い、構成や編集を外部へ任せるなど、作業を分けたほうが安全です。
| 確認すること | 内製を始めやすい状態 | 先に整えること |
|---|---|---|
| 目的 | 誰のどの疑問に答えるか説明できる | 問い合わせや商談で多い質問を一つ選ぶ |
| 根拠 | 製品資料、社内ルール、担当者の経験を確認できる | 公開できる事実と社外秘を分ける |
| 時間 | 執筆と確認を勤務時間内に予定できる | 上司が作業枠と優先順位を決める |
| 責任 | 最終確認者と公開担当が決まっている | 誰が公開可否を決めるか明文化する |
「外注費がかからないから内製」という判断だけでは、社員の作業時間や確認負担が見えなくなります。社内で書く場合も費用はゼロではありません。通常業務への影響、確認に必要な時間、公開後の修正まで含めて判断します。
最初に四つの役割を決める
人の名前を一人だけ置くのではなく、記事が止まる場所ごとに役割を分けます。一人が責任者と公開担当を兼ねる場合も、確認項目は別にします。
| 役割 | 主な仕事 | 決めておくこと |
|---|---|---|
| 責任者 | 目的、優先順位、公開可否を決める | 社外秘、表現、延期の判断基準 |
| 話し手・書き手 | 現場の情報を出し、下書きを作る | 作業時間、質問先、締切 |
| 確認者 | 事実、固有名詞、数字、権利を確かめる | 確認範囲と回答期限 |
| 入稿・公開担当 | WordPressへ入れ、リンクや表示を確認する | 操作権限、公開日時、公開後の連絡先 |
WordPressには投稿、編集、公開などの操作権限があります。全員へ管理者権限を渡すのではなく、担当する作業に必要な範囲を確認してください。権限名や追加機能は環境によって異なるため、現在の設定と運用担当者を照合します。

ブログ作業を勤務時間内の仕事として確保する
会社から依頼して行う取材、執筆、確認、入稿を、本人の空き時間や善意に任せないことが大切です。厚生労働省は、労働時間を使用者の指揮命令下に置かれている時間として案内しています。会社業務としてブログを任せるなら、上司が通常業務との優先順位を決め、勤務時間内の作業として予定と実績を管理します。
始業前、休憩中、帰宅後の自主作業を前提にした運用は避けます。必要な時間は記事の難しさや確認人数で変わるため、「毎回一時間」と一律に決めず、最初の一記事で実績を記録し、次の計画へ反映します。労働時間の個別判断が必要な場合は、社会保険労務士などの専門家へ確認してください。
一記事の流れを六つに分ける
「記事を書く」という一つの予定では、どこで止まったか分かりません。小さな会社でも、次の六工程に分けて担当と期限を置きます。
| 工程 | 完了の状態 | 次へ渡すもの |
|---|---|---|
| 1. 依頼 | 読者の疑問と記事の目的が決まった | 一文の回答と確認先 |
| 2. 材料 | 資料、写真、担当者の説明がそろった | 出典と公開可否 |
| 3. 下書き | 結論、理由、具体例、次の行動が書かれた | 確認が必要な箇所 |
| 4. 事実確認 | 数字、名称、条件、権利を確認した | 修正指示と承認 |
| 5. 入稿 | 見出し、画像、リンク、説明文を設定した | 公開前プレビュー |
| 6. 公開確認 | PCとスマートフォンで表示とリンクを確認した | 公開URLと次回確認日 |
記事の題材は、検索語だけでなく、問い合わせや商談で繰り返し聞かれる質問から探します。材料の集め方は、顧客の疑問から記事案を作る手順も参考になります。
書き手へ渡す材料を一つにまとめる
書き手にタイトルだけを渡すと、一般論や推測が増え、確認の往復も多くなります。依頼時に次の材料を一つのフォルダーや文書へまとめます。
- この記事が答える質問と、最初に伝える答え
- 対象の商品、サービス、採用職種などの正式名称
- 料金、期間、対象範囲など、公開できる条件
- 担当者が実際に行っている手順と判断基準
- 使用できる写真、図、資料と権利確認の状態
- 引用する公式資料のURLと確認日
- 公開してはいけない顧客情報、個人情報、社内情報
人物写真、顧客の声、他社資料を使う場合は、撮影や掲載の許可、利用範囲、出典を確認します。写真利用の確認項目は、ホームページ写真の著作権と確認リストにまとめています。
確認は文章の好みと事実確認を分ける
確認者が全員の好みを反映しようとすると、修正が終わりません。まず、誤りや事故につながる項目を確認し、その後に読みやすさを整えます。
| 優先 | 確認内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 必須 | 事実と条件 | 名称、価格、日付、対象者、提供範囲 |
| 必須 | 権利と公開可否 | 写真、引用、個人情報、取引先情報 |
| 重要 | 読者への回答 | 冒頭で質問へ答えているか、注意点が抜けていないか |
| 重要 | 読みやすさ | 専門用語の説明、長い文、見出しとの一致 |
| 最後 | 表記の好み | 漢字とひらがな、言い回しの統一 |

WordPressの状態と変更履歴を使う
WordPressでは、下書き、レビュー待ち、公開予約、公開済みなどの状態を使い分けられます。書き手が下書きにし、確認者がレビューし、公開担当が日時を決めるようにすると、メールや口頭だけの進行より現在地を確認しやすくなります。
変更履歴は、誰かの修正を責めるためではなく、数字や条件がいつ変わったかを比べるために使います。ただし、WordPressの変更履歴はサイト全体のバックアップではありません。公開前後の保全や復旧方法は、ホームページ保守・運用の実務チェックリストと分けて整えてください。
担当者が休んでも止まらない決め方
欠勤や繁忙期は起こる前提で、公開日だけでなく延期の条件を決めます。急いで代筆するより、誤りなく延期できる状態のほうが信頼を守れます。
- 資料と下書きの保存場所を一つにする
- 担当者だけが知っている事実を、確認先とともに記録する
- 確認者が不在なら誰が代わるか決める
- 公開日の変更を決められる責任者を一人にする
- 間に合わないときは、未確認のまま公開せず延期する
- 日時に意味のある告知は、通常記事と別の承認手順にする
全体の予定と素材待ちを見えるようにする場合は、編集カレンダーへ担当、確認期限、現在の状態を記録します。本記事では役割を決め、親記事では複数記事の予定を管理するという使い分けです。
内製を止める基準も先に決める
続けること自体を目標にすると、通常業務を圧迫したり、確認不足の記事を公開したりします。次の状態が続く場合は、本数を減らす、既存記事の更新へ切り替える、一部を外部へ任せる、いったん停止する方法を比較します。
| 起きていること | 最初の見直し | 外部支援を検討する範囲 |
|---|---|---|
| 下書きが始まらない | 質問を一つに絞り、勤務時間を確保する | 取材、構成、初稿 |
| 確認が終わらない | 確認者と必須項目を減らす | 編集、校正、事実確認表 |
| 入稿で止まる | 公開手順と権限を確認する | WordPress入稿、画像調整、表示確認 |
| 似た記事が増える | 既存記事へ追記できないか確認する | 検索意図の整理、記事構成 |
| 公開しても直せない | 確認日と修正担当を決める | 計測、保守、既存記事の更新 |
すべてを外注するか、すべてを社内で行うかの二択ではありません。社内は経験と事実を出し、外部は構成、編集、入稿を支える分担もできます。依頼範囲と費用を整理する際は、ブログ記事制作を外部へ依頼する前の確認事項もご覧ください。
最初の四週間は一記事で試す
最初から毎週公開を約束せず、一記事を完成させる過程で必要な時間と詰まりを確認します。次は小さく始める一例であり、会社の繁忙期と確認人数に合わせて調整してください。
| 週 | 行うこと | 残す記録 |
|---|---|---|
| 1週目 | 質問、答え、役割、公開可否を決める | 担当と予定時間 |
| 2週目 | 資料を集め、話を聞き、下書きを作る | 実作業時間と不足資料 |
| 3週目 | 事実、権利、読みやすさを確認する | 修正回数と確認待ち日数 |
| 4週目 | 入稿、表示確認、公開後の確認日を決める | 公開URLと次回の改善点 |
一記事が終わったら、予定と実績の差を確認します。毎日少しずつ改善する時間の使い方は、毎日30分で回すホームページ改善も参考になります。更新頻度を上げるのは、役割と確認が無理なく回ると分かってからで十分です。
公開前チェックリスト
- 記事が答える質問と冒頭の答えが一致している
- 責任者、書き手、確認者、公開担当が決まっている
- 作業時間を勤務時間内に確保している
- 正式名称、料金、日付、対象範囲を資料と照合した
- 顧客情報、個人情報、社外秘が含まれていない
- 写真、引用、外部資料の権利と出典を確認した
- 専門用語を普段使う言葉で説明している
- リンク先が開き、現在の記事と内容が一致している
- スマートフォンで表、画像、文章を確認した
- 公開後の確認日と修正担当を決めた
まずは一記事について、四つの役割と勤務時間内の作業枠を書き出してください。担当者名だけでなく、どの状態になれば次へ渡せるかを決めると、更新が止まる原因を見つけやすくなります。
社内にある知識を記事へ整理し、WordPressへの入稿や公開後の改善まで無理なく続けたい方は、BämのSEO・集客支援をご覧ください。現在の人員、更新頻度、止まっている工程が分かる範囲で、スタッフブログの運用についてご相談いただけます。
参考資料
- 有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成|Google Search Central(2026年9月7日確認)
- SEOスターターガイド|Google Search Central(2026年9月7日確認)
- Roles and Capabilities|WordPress.org Documentation(2026年9月7日確認)
- Post Status|WordPress.org Documentation(2026年9月7日確認)
- Revisions|WordPress.org Documentation(2026年9月7日確認)
- 労働時間・休日|厚生労働省(2026年9月7日確認)
- 労働時間に関するQ&A|厚生労働省(2026年9月7日確認)
