ホームページ制作中の修正依頼がまとまらない時は?4分類で作る確認メモ
ホームページの制作中にデザイン案や文章案が届くと、「もっとやわらかい印象にしたい」「この料金の説明は違う」「相談ボタンも増やしたい」など、種類の違う意見が同時に出ることがあります。複数人で確認していれば、今の案の方が信頼できるという反対意見も加わります。どの意見も大切だからこそ、一覧へ並べるだけでは制作会社が何を確認し、誰の判断を待てばよいのか分かりにくくなります。
この記事では、Bämの制作実務上の提案として、制作途中の生コメントを事実確認・訂正、目的・利用者の観点、好み・印象、新しく出てきた相談の4つへ分け、一つの確認メモにする方法を紹介します。修正方法を専門用語で指定できなくても、違いと未決定事項を見える形にすれば、制作会社と次の判断を相談しやすくなります。
制作途中の修正意見がまとまりにくい3つの理由
1.種類の違うコメントが同じ一覧に混ざる
会社名の誤字は正しい表記を確認すれば直せます。一方、「親しみにくい気がする」は利用者への伝わり方や個人の印象を含みます。「予約ボタンも付けたい」は、もとの確認範囲にはなかった新しい相談かもしれません。これらをすべて同じ「修正」として並べると、制作側は訂正すればよいのか、別案を考えるのか、範囲を確認するのか判断できません。
2.確認できる人と、最後に決める人が違う
料金の正しさは経理や代表へ確認し、現場の流れは担当者へ聞き、最終的な見せ方は代表が決めることがあります。コメントを書いた人がすべてを決められるとは限りません。「誰に聞けば事実が分かるか」と「誰の返事で進めてよいか」を分ける必要があります。
3.一つのコメントに複数の意味が重なる
「トップが固いので写真を変えて、相談ボタンも増やしたい」という一文には、好み、利用者への心配、新しい相談が入っています。一文のまま送ると、写真を変えれば解決するのか、文章や色も見直すのか、ボタン追加を今回の作業へ含めるのかが曖昧です。意見を否定せず、判断の種類だけを分けます。
修正意見を4つに分ける
次の4分類は上下関係でも、決める順番でもありません。また、公的な標準、契約上の区分、追加料金を判定する基準ではありません。目的や範囲を見える形にして関係者で確認する考え方を参考に、この記事で使いやすい形へ整理したものです。

事実確認・訂正
会社名、住所、営業時間、料金、サービス条件など、正しいか確認できる内容です。「料金が違う」とだけ書かず、確認できる資料や確認する人を付けます。事実の誤りでも、軽い誤字と申込み判断に影響する料金の誤りでは緊急度が違うため、分類だけで優先順位を決めません。
目的・利用者の観点
誰に何を理解してほしいか、次にどんな行動をしてほしいかという観点です。「ボタンを赤くして」と修正方法を決める前に、「初めての人が相談先を見つけにくいのが心配」と目的を書けば、色以外の案も含めて相談できます。直し方が分からなくても、利用者がどこで迷いそうかは伝えられます。
好み・印象
色、写真、文章の調子などを見た時の感じ方です。好みは悪い意見ではなく、事業らしさを確かめる材料です。ただし、「私は青が嫌い」と「相談しやすい印象にしたい」を同じ理由にせず、個人の感じ方と目指す印象を分けて書きます。好みの詳しい伝え方は、参考サイトの伝え方で扱っています。
新しく出てきた相談
案を見てから追加したくなったページ、ボタン、機能、文章などです。読者側だけで「軽い修正だから同じ範囲」「追加料金になる」と決めません。当初の確認内容と照らし、対応範囲、費用、日程への影響を作業前に制作会社へ確認します。今回入れる、別途相談する、公開後に回すという選択肢を残します。
複数人のコメントを一つにまとめる7つの手順
- 全員の生コメントを消さずに集める:まず原文を残し、誰の意見か分かるようにします。
- 同じ場所と同じ意味をまとめる:トップの写真についての意見が三つあれば、一つの項目へ集めます。
- 反対意見を両方残す:多数決前に消さず、どこで意見が分かれているかを書きます。
- 4分類を付ける:一つのコメントに複数の意味があれば分けます。
- 確認する人と決める人を付ける:事実確認者と最終判断者を別欄にします。
- 未決定の状態を付ける:事実確認中、判断待ち、制作会社へ要相談、保留、次回候補などを使います。
- 正式版を一つの窓口から送る:元の意見を保存した上で、制作側が確認する一覧は一つにします。
一つにまとめる目的は、全員の考えを同じにすることではありません。どこは決まり、どこは対立し、どこは制作会社へ相談したいのかを分かる形にすることです。詳しい役割分担は、専任のWeb担当者がいなくても相談できるかへ分け、ここでは確認コメントの集約だけに絞ります。
確認メモは基本6項目と進行4項目で作る
コメントごとに、基本6項目として「分類」「対象ページと場所」「現在の状態・気になること」「希望または相談したいこと」「理由」「優先度」を書きます。進行4項目として「事実確認者」「最終判断者」「希望時期または判断期限」「状態」を分けます。合計10項目を同じ順番にすると、一つの欄へ人、期限、未決定事項を押し込まず、次の行動を見つけやすくなります。
優先度は「いつ扱いたいか」「公開判断にどう影響するか」を表し、状態は「いま誰の確認や判断を待っているか」を表します。優先度は高・中・低だけでなく、「公開可否に関わる」「公開前に相談したい」「公開後でもよい」のように行動が分かる言葉にします。対応の早さや採用可否は制作会社や契約によって異なるため、希望時期を書いたことを確約とは考えません。
一人で事業をしている場合にも使えます。事実確認者と最終判断者が同じ人でも構いません。確認する事実や反対意見がない項目は「該当なし」と書き、必要な欄から使います。一人で考える時も、事実、目的、好み、新しい相談を分けると、制作会社へ何を決めた状態で渡すのか整理できます。
コピーして使える確認メモ
- 分類:事実確認・訂正/目的・利用者の観点/好み・印象/新しく出てきた相談
- 対象ページと場所:ページ名、見出し、画面の位置
- 現在の状態・気になること:何が表示され、どこに迷いがあるか
- 希望または相談したいこと:決めた修正方法、または制作側へ提案してほしい点
- 理由:確認できる事実、利用者への影響、目指す印象
- 優先度:公開可否に関わる/公開前に相談したい/公開後でもよい
- 事実確認者:誰へ何を確認するか
- 最終判断者:誰の返事で進めてよいか
- 希望時期または判断期限:いつまでに相談・判断したいか
- 状態:事実確認中/判断待ち/制作会社へ要相談/保留/次回候補
生コメントを完成メモへ変える例

生コメント:「トップが少し固い。写真を変えたい。でも今の方が信頼感があるという意見もある。相談ボタンは増やしたい。」
まず、「固く感じる」は好み・印象、「初めての人が相談しやすく見えてほしい」は目的・利用者の観点、「今の方が信頼感がある」は反対意見、「相談ボタンを増やしたい」は新しく出てきた相談へ分けます。写真を変えることは解決方法の候補であり、まだ最終決定とはしません。
完成メモ:一つの正式メモの中へ、次の4項目を別々に入れます。分類名が違っても、使う欄は基本6項目と進行4項目で共通です。
項目1:好み・印象
- 対象ページと場所
- トップページの最初の画面にある写真
- 現在の状態・気になること
- 親しみにくく、少し固く感じるという意見がある
- 希望または相談したいこと
- 信頼感を失わず、相談しやすく見える別案があるか相談したい
- 理由
- 開業直後の人が、相談前に身構えない見せ方にしたい
- 優先度
- 公開前に相談したい
- 事実確認者
- 該当なし
- 最終判断者
- 代表
- 希望時期または判断期限
- 次回案を確定する前
- 状態
- 制作会社へ要相談
項目2:目的・利用者の観点
- 対象ページと場所
- トップページの最初の画面全体
- 現在の状態・気になること
- 初めての人が、どこから相談できるかすぐには分からないかもしれない
- 希望または相談したいこと
- 写真の差し替えに決めつけず、文章や余白も含めて相談先が伝わる案を見たい
- 理由
- 初回相談への迷いを減らしたい
- 優先度
- 公開前に相談したい
- 事実確認者
- 該当なし
- 最終判断者
- 代表
- 希望時期または判断期限
- 次回案を確定する前
- 状態
- 制作会社へ要相談
項目3:反対意見(好み・印象の補足)
- 対象ページと場所
- トップページの最初の画面にある現在案
- 現在の状態・気になること
- 現在案の方が信頼感を保てるという意見もあり、写真変更には未合意
- 希望または相談したいこと
- 親しみやすさと信頼感を両立できる選択肢を比べたい
- 理由
- 反対意見を消したまま進めたくない
- 優先度
- 公開前に判断したい
- 事実確認者
- 該当なし
- 最終判断者
- 代表
- 希望時期または判断期限
- 次回案を確認した日から2営業日以内を希望
- 状態
- 社内判断待ち
項目4:新しく出てきた相談
- 対象ページと場所
- トップページの最初の画面
- 現在の状態・気になること
- 相談ボタンを増やしたいという新しい希望が出た
- 希望または相談したいこと
- 今回の制作範囲で検討できるか、作業前に確認したい
- 理由
- 相談先を見つけやすくしたい
- 優先度
- 公開前に相談したい
- 事実確認者
- 当初の確認内容を代表が確認
- 最終判断者
- 代表
- 希望時期または判断期限
- 次回案を依頼する前
- 状態
- 制作会社へ要相談
この完成メモなら、制作会社は「写真を差し替える」だけでなく、文章、余白、ボタンの位置なども含めて目的に合う案を検討できます。同時に、ボタン追加を勝手に進めず、範囲を確認する必要があると分かります。
「何となく違う」を相談できる言葉へ変える
直し方まで決める必要はありません。「青が嫌」なら、「落ち着いた印象より、話しかけやすい印象にしたい」と目指す印象を添えます。「文字が変」なら、「初めての人が二つの料金の違いを見分けにくい気がする」と利用者への心配へ置き換えます。「どう直すかは決めていない。目的を保てる案を相談したい」と書いても構いません。
言葉がうまく出ない時は、場所、気になる場面、困りそうな利用者、目指したい状態の順に考えます。デザイン用語を調べて正しそうな指示を書くより、事業者が知っている利用者やサービスの事実を渡す方が、制作側は目的に戻って提案できます。
新しく出た相談は「修正」と決めつけず範囲を確認する
案を見た後に新しい希望が出ること自体は不自然ではありません。読者側だけで範囲や料金を決めず、当初の確認内容と照らして「今回の範囲で検討できるか」を作業前に制作会社へ確認します。費用や日程など個別条件は、その回答と確認済み資料に従います。
文化庁の委託事業教材「フリーランス法対応!クリエイターと取引先のための契約ハンドブック」には、クリエイティブ業務の受発注前に、目的、対象、日程、修正範囲、連絡方法、誰からどの形式でフィードバックを受けるかなどを確認する項目があります。本来は契約や取引条件を確認する教材であり、この記事の4分類を定めた資料ではありません。ここでは、連絡相手と形式を先に確認する考え方だけを参考にしています。
メモを送る前に制作会社へ確認すること
- メール、チャット、共有資料など、正式な連絡手段とファイル形式
- 一ページごとか一回の確認ごとか、まとめて送る単位
- 制作側から質問や別案が出た時の返答方法
- 誰の返答を最終承認として扱うか
- 未決定項目を保留にできるか、いつ判断するか
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の情報システム開発向け資料「機能要件の合意形成技法」は、目的、範囲、制約を図表などで見える形にし、抜けや矛盾を関係者で確かめる考え方を示しています。一方で、どの場面にも通じる唯一の方法ではないとも注意しています。この資料も4分類を示したものではなく、今回の記事では認識の違いを見える形にする考え方だけを参考にしています。確認メモは制作会社が指定する方法を置き換えません。
確認メモに添付しない情報
パスワード、管理画面のログイン情報、個人情報、未公開の顧客情報、秘密保持の対象となる資料を、一般の確認メモや問い合わせフォームへ貼らないでください。安全な共有方法が必要なら、制作会社へ先に確認します。画面画像を添える場合も、氏名、メールアドレス、注文番号などが写っていないかを確認します。
よくある質問
専門用語が分からなくても伝えられますか
伝えられます。ページの場所、現在どう見えるか、誰が困りそうか、何を相談したいかを書きます。修正方法が分からない場合は、目的を保てる案を提案してほしいと伝えます。
複数人で結論が出ていない項目も送れますか
制作会社の進め方によりますが、反対意見と判断待ちの状態を明記して相談する方法があります。正式版を一つにすることは、反対意見を消すことではありません。誰がいつ決めるかも添えます。
「新しく出てきた相談」に分けると追加費用になりますか
分類だけでは決まりません。もとの範囲、作業内容、見積もり、契約によって異なります。読者側で無料・有料を決めず、制作会社へ費用と日程への影響を確認します。
送信後に新しい意見が出た時はどうすればよいですか
すでに送った正式版へ黙って追記せず、新しい意見が出たことを窓口で確認します。次の確認回へ回せるか、先に判断が必要かを制作会社へ相談し、版や送信日時を分けます。
まとめ:修正方法より、判断の違いを見えるようにする
制作途中のコメントは、事実確認・訂正、目的・利用者の観点、好み・印象、新しく出てきた相談へ分けます。反対意見や未決定を消さず、確認する人、最後に決める人、希望時期を付け、一つの正式版にします。これは相手へ細かく命令するためではなく、どこを一緒に考えたいのかを分かる形にするメモです。
現在の制作会社と進めている場合は、まずこの記事のメモをその会社との確認に使ってください。他社との契約や費用が正しいかの判定、急ぎの不具合修理、修正コメントだけの代筆をBämが受けると案内する記事ではありません。
これからホームページ制作を始める方、Bämへ相談中・制作中の方、作り直し前に関係者の意見を整理したい方で、内容の整理、言葉のまとめ方、ページ構成、問い合わせ導線を相談しながら考えたい場合は、お問い合わせページから今の段階と一番まとまらない点をお知らせください。事業の事実確認と最終判断は事業者側に残し、制作範囲、費用、日程、修正対応は相談内容を確認して整理します。