
ホームページを一度にすべて作り替えず、サービス紹介から公開し、事例や採用ページを後で加える。そんな段階公開では、制作側の予定表どおりにページを出せても、訪問者の行き先が途中で切れることがあります。各段階で「今見られる情報」と「今できる行動」を一組にし、まだないページを入口にしないことが、公開途中の案内を整える出発点です。
段階はページ数より、訪問者が終えられる行動で区切る
新しいサービスの紹介だけを先に出す場合、事例ページが後日でも、サービスの対象、依頼できる内容、相談先が確認できれば、訪問者は次の判断へ進めます。反対に、見栄えの整ったトップページだけを公開しても、詳しい内容や連絡先への道がなければ、公開した目的を果たせません。
公開の単位を決めるときは、主要な訪問者がどのページから入り、何を確かめ、最後にどのページへ進むかを一本の経路として描きます。たとえば「トップ→新サービスの説明→問い合わせ」であれば、三つの画面に載る内容とリンクがその段階の最低限です。料金をまだ確定できないなら、架空の価格や空の料金表を置かず、見積りに必要な条件と相談先を示します。事例が未公開なら、ない事例へのボタンは作りません。

公開済み・準備中・旧ページを同じ一覧で確認する
ページ一覧には、今見られるページ、次の段階で出すページ、公開中の旧ページ、役目を終えるページを分けて書きます。URLだけでなく、メニュー・トップのカード・本文中のリンク・外部から使われている案内先も確認対象です。たとえばサービス紹介を先に差し替えて、旧トップの「詳しく見る」が旧説明へ残れば、同じサービスに二つの説明が並びます。どの段階でどちらを正とするか決め、リンク元を合わせます。
準備中の内容を知らせる必要がある場合は、公開時期を確定できるかを先に確かめます。未確定なら「近日公開」と約束するより、今確認できる概要と現在の相談先を案内する方が正確です。公開前のページをメニューに表示したまま空のページへ進ませたり、押せそうな見た目の「準備中」ボタンを置いたりしないようにします。
メニューとリンクは、その時点で使える行き先に揃える
段階公開では、メニューに今利用できるページを載せ、追加時に順序と名前をまとめて更新します。W3Cのリンク目的の解説は、リンク名または周囲の文脈から行き先が分かることを求めています。「詳しく見る」が別の内容へ移ったままでは、押した人の期待と着地点がずれます。共通ナビゲーションの解説も、複数ページで繰り返す案内の順序を揃えることを示しています。
追加するページが一つでも、PCの上部メニューだけでなく、スマートフォンのメニュー、フッター、パンくず、本文の案内を見ます。古い名称のまま残ったリンクや、まだないページへのカードは、入口ごとに直します。見た目の統一だけでなく、同じ名称なら同じ内容へ進める状態を保つことが大切です。

旧ページのURLを切り替える前に、対応する新ページを確かめる
URLを変えずに内容を更新できるページなら、旧ページを急いで消す必要はありません。URLが変わる場合は、新旧のページを一対ずつ照合し、同じ用件を果たせる新しい行き先へ転送します。Googleのサイト移行資料は、新旧URLの対応を用意し、内部リンクを更新すること、関係のない旧URLをまとめて新トップへ送らないことを説明しています。段階公開でも、旧ページから来た人が別の話題に着地しないようにします。
対応する新ページがまだできていないなら、内容が正しい旧ページを一時的に残せるか検討します。すでに提供を終え、代わりの情報もないページは、誤った新ページへ転送しません。Googleのクロールエラー資料は、代替のない削除ページには適切な404または410を返し、404画面には利用者が別の情報を探せる案内を置く方法を示しています。ここは検索順位のためだけでなく、古いブックマークや外部リンクから訪れた人への対応でもあります。
公開のたびに、実際の入口から最後までたどる
各段階の完了は、ページが管理画面で「公開」になった時点ではありません。公開したURLを開き、PCとスマートフォンで内容を読み、メニューと本文のリンクから目的のページへ進み、問い合わせなどの行動が完了するところまで確かめます。検索結果、旧URL、配布済み資料などから入る経路があれば、その入口も対象にします。次の段階でページを足した後も、前の段階の案内が古くなっていないか見直します。
制作を相談するときは、現在のページとURLの一覧、残したい機能、段階ごとの公開内容、訪問者にしてほしい行動を共有すると、切替範囲を具体化できます。Bämのリニューアルか部分改修かの相談ページでも、残す内容と直す範囲、公開の切替方法を確認しています。段階公開そのものが必要かどうかも含め、今のサイトで使える部分と、新しく出す内容を照らして決めましょう。
参考資料
- W3C WAI:Link Purpose (In Context)
- W3C WAI:Consistent Navigation
- Google Search Central:Site Moves and Migrations
- Google Search Central:Troubleshoot Crawling Errors
- Bäm:ホームページはリニューアルか部分改修か
資料確認日:2026年9月26日。段階公開の画面構成は説明用です。実際の公開順序とURLの扱いは現行サイトを確認して決めます。
