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投稿日:2025.08.06  最終更新日:2025.7.23
制作・技術

古いホームページのリニューアルで集客力を取り戻す方法

古いホームページのリニューアルで集客力を取り戻す方法

はじめに

中小企業や個人事業主として、ホームページは非常に大切な「オンラインの顔」です。ところが、数年前に制作してそのまま放置していると、デザインが時代遅れになったり、スマートフォンで閲覧しづらいレイアウトになっていたりして、せっかくの集客チャンスを逃しているケースが少なくありません。
しかし「全面的な大規模リニューアルは予算がかかりすぎて難しい」「そもそも何から着手すればいいのかわからない」という悩みを抱えている方も多いでしょう。本記事では、古いホームページをリニューアルし、再び集客力を取り戻すための具体的な手順やポイントを解説します。専門的な内容もなるべくわかりやすく紹介しますので、自社のホームページ改善に役立てていただければ幸いです。

リニューアルの必要性を見極める

まずは、なぜリニューアルが必要なのかを整理しておきましょう。古いホームページを使い続けることで、どのようなデメリットが生じるのかを把握することが大切です。

見栄えによる第一印象の低下

デザインが古いと「この会社は最新のトレンドから遅れているのでは?」という印象を与えてしまいます。訪問者はサイトを開いた瞬間に企業や事業者の印象を判断し、興味を失ったらすぐに離脱してしまいます。これはビジネスチャンスの損失にもつながります。

情報の古さ

しばらく更新していないホームページは、情報が最新でない可能性が高いです。顧客にとって欲しい情報が十分に得られなかったり、事業内容の変化や新サービス導入が反映されていなかったりすると、興味を持ってもらえないばかりか、信用を損なう原因にもなります。

スマートフォンへの対応不足

現代のウェブ閲覧は、スマートフォンが主流になっています。古いホームページだとPC向けのレイアウトに固定されていて、スマートフォンで見ると文字が小さく読みにくかったり、ボタンが押しづらかったりします。いわゆるレスポンシブ対応がされていないサイトは、ユーザー体験の質が大きく低下します。

SEOへの悪影響

ホームページのコードや構造が古いままだと、検索エンジンがコンテンツを正しく評価できない可能性があります。また、モバイルフレンドリーでないサイトは検索順位で不利になることが多いです。結果的に、新規顧客との接点を減らしてしまいます。

下表は、古いホームページによく見られる主な問題点をまとめたものです。

項目主な問題
デザイン・レイアウトレスポンシブ非対応、色やレイアウトが時代遅れ
コンテンツの古さ最新情報がない、更新頻度が低い
ユーザビリティボタンが押しにくい、動線が不明確
SEO要素タグ設定が不十分、モバイル非対応で検索順位が下がる可能性
運用・セキュリティセキュリティアップデートが行われておらず、脆弱性のリスクが高い

こうした問題がいくつか当てはまる場合、リニューアルの必要性が高いと言えます。

現状分析と目標設定

リニューアルに踏み切るのであれば、まずは現状分析と明確な目標設定から始めるのがおすすめです。「どうリニューアルするか」は目標によって変わるため、ゴールが定まっていないとやみくもにデザインを変更しても効果を得にくくなります。

アクセス解析とヒアリング

現在のホームページにどれくらいのアクセスがあるのか、どのページから離脱が多いのかなどを把握するにはアクセス解析ツールが有用です。また、社内外から「使いづらい」「情報が分かりにくい」といった声を集めると、具体的な改善ポイントが見えてきます。

ペルソナの再確認

実際に訪問してほしいユーザー層は誰なのか、どんなニーズを持っているのかを再確認します。ターゲットユーザー像が明確になると、「どの情報を優先的に提供すべきか」「どんなデザインや言葉遣いが響くか」などがはっきりします。

リニューアルの目的・目標

  • 新規顧客の問い合わせを増やしたい
  • 既存顧客に新商品やサービスの詳細を伝えたい
  • 企業イメージを刷新したい
  • ブランド力を高めたい

目的に応じて目標数字や達成指標を設定すると、リニューアルの成果を確認しやすくなります。

リニューアルの計画とデザインのポイント

現状分析と目標設定が済んだら、次にリニューアルの具体的計画を立てましょう。大掛かりなリニューアルが難しい場合でも、優先度の高いところから手をつければ効果が見込めます。

リニューアルで検討するべき項目

項目内容
ページ構成メニューやカテゴリー、ページ数、サイトマップをどう整理するか
デザインカラースキームやフォント、レイアウト。レスポンシブ対応の導入
コンテンツ見直す・追加するテキストや画像、動画などの素材。ブランドイメージとの整合性
システム面CMS(コンテンツ管理システム)導入の有無、問い合わせフォームや決済機能の整備
運用体制更新の担当者、頻度、マニュアルづくり。PDCAを回す仕組み
セキュリティSSL化、CMSやプラグインのアップデート、バックアップ体制

デザインのポイント

  • ユーザー視点の導線
    どのページにアクセスしても、すぐに目的の情報へ辿り着けるように配置・メニューを考えます。
  • レスポンシブデザイン
    スマートフォンやタブレットなど、多様な画面サイズに対応するレイアウトにします。文字サイズやボタンの配置もスマホで使いやすいように。
  • 統一感のある配色・フォント
    中小企業や個人事業主の場合、企業やお店のブランディングを意識しながら、ビジネスの雰囲気に合う配色を採用します。
  • 余白を活かす
    情報を詰め込みすぎると読みづらくなります。重要な情報に集中してもらうため、適度な余白をつくるのが効果的です。

機能面の改善・SEOの基本

リニューアルの際に、デザインだけでなく機能面の改善やSEOの基本をおさえておくと、問い合わせ数やコンバージョン率の向上が期待できます。

フォーム機能・問い合わせ導線の最適化

問い合わせフォームがわかりにくかったり、入力項目が多すぎるとユーザーが離脱してしまいます。最低限必要な項目のみを設定し、わかりやすく表示することで問い合わせの敷居を下げることができます。

モバイルフレンドリー

先述の通り、スマートフォンでの閲覧に最適化されたサイトは検索順位にも好影響を与えます。ボタンサイズや文字サイズを十分に確保し、指でのタップ操作を意識したUIにしましょう。

内部SEOの基本

  • メタタグの最適化
    タイトルタグやディスクリプションに適切なキーワードを入れ、ユーザーが内容をイメージしやすい表現にします。
  • 見出しタグ(H1, H2など)の階層構造
    ページ構造を論理的に整理し、検索エンジンにも内容を把握してもらいやすくします。
  • ページ速度の改善
    画像の容量を圧縮する、不要なプラグインを削除するなどして表示速度を上げると、ユーザー体験も向上します。
  • 内部リンク
    関連するコンテンツ同士をつなげ、閲覧者がサイト内を回遊しやすいように整備します。

運用体制の見直しと継続改善

ホームページは制作して終わりではなく、運用してこそ意味があります。リニューアルを機に、日々の運用体制や更新計画を見直しましょう。

  1. 更新頻度の設定
    最新情報や新しい事例を定期的に追加することで、ユーザーの関心を引き続けられます。
  2. 担当者の割り振り
    文章や写真の作成が得意な人、情報を整理するのが得意な人など、得意分野に応じて役割を割り振りましょう。
  3. 運用マニュアルの整備
    CMSの使い方や更新フローをマニュアル化しておくことで、担当者の変更があってもスムーズに業務を引き継げます。
  4. 定期的な改善サイクル(PDCA)
    アクセス解析ツールなどを活用してデータをチェックし、「なぜアクセスや問い合わせが減ったのか」「どのページが人気なのか」などを検証します。その結果を踏まえて次回の改善施策を打ち立てることで、サイトのクオリティを継続的に高められます。

下表は、リニューアル後の運用・改善フローの一例です。

フェーズ目的・内容
設定・準備CMSやプラグインの導入、運用マニュアルの作成
実行コンテンツ更新、SNS連携など
分析アクセス数、ユーザー行動(ページ滞在時間、離脱率など)
改善分析結果をもとにサイト構成やコンテンツを修正
反映次回更新やリニューアル計画に活かす

具体例:古いデザインからのアップデート事例

ここでは、実際によくあるリニューアル事例を取り上げ、どのように集客力を取り戻したかをイメージしてみましょう。

  • デザインリニューアルとスマートフォン対応
    以前は横幅固定のレイアウトでスマートフォンで見ると文字が小さかったため、レスポンシブデザインへ移行。メインカラーやフォントも見直して、企業の雰囲気に合った落ち着いた配色に変更。ロゴやキャッチフレーズを目立たせることで、プロフェッショナルな印象を与えるようにした。
    • 改善後の効果
      スマートフォンからのアクセスが倍増し、特に商品の写真ギャラリーをスマホ操作しやすくした結果、問い合わせ数が増加。
  • コンテンツ構成の再整理
    メニューが多岐にわたり、ユーザーがどこをクリックすれば目的情報にたどり着くか不明瞭だったので、ページ構成をシンプルにまとめ直した。トップページには主力サービスや製品を一目でわかる形で配置し、詳細情報はサービス別ページへ誘導。
    • 改善後の効果
      「よくある質問」ページを充実させたことで、問い合わせの前に大まかな疑問を解決してもらいやすくなり、問い合わせ時に具体的な要望を伝えてもらえるようになった。
  • 社内運用の強化
    社内でホームページの更新方法がわからないままになっていたため、新たにCMSを導入し、記事投稿や画像差し替えを簡単に行えるように改善。社員が日々のニュースや活動レポートをこまめにアップすることで、サイトに活気を与えた。
    • 改善後の効果
      検索エンジンから定期的に新しいコンテンツが評価され、結果的に検索順位の上昇につながった。

まとめ

古いホームページをリニューアルして集客力を取り戻すには、目的を明確に設定し、デザイン・コンテンツ・運用体制を総合的に見直すことが大切です。見栄えやレイアウトはもちろん大事ですが、実際には「顧客が知りたい情報がきちんと伝わっているか」「閲覧しやすく、問い合わせしやすい導線があるか」「更新や運用がスムーズに回る仕組みを用意できるか」といった要素が成果に直結します。
無理のない範囲で一度にすべてを変えるのは難しいかもしれませんが、優先順位をつけて段階的に改善していくことで十分に効果を得られます。ぜひ自社のサイト状況を再確認しながら、リニューアルの計画を立ててみてください。