
採用サイトに「社員の75%が相談しやすいと回答」と載っていても、何人に尋ね、何人が答えたかが分からなければ、応募者はその数字の範囲を判断できません。回答率は、示した割合がどの回答から出たかを読むための手がかりです。結果の近くに、調査対象、回答者数、実施時期、設問を添えます。
ここで使う人数は説明用の架空の例です。Bämや特定の会社が実施した調査結果ではありません。
「回答者の割合」と「社員全体の割合」を分ける
調査の対象となる社員40人全員に同じ設問を送り、24人が回答したとします。この例の回答率は24人÷40人で60%です。回答した24人のうち18人が「そう思う」を選んだ場合、設問の結果は「回答者24人のうち18人(75%)」と書けます。「社員の75%」と書くと、答えていない16人も含めて同じ意見だったように読めます。
回答しなかった人の考えは、この集計からは分かりません。回答率が高い調査でも、答えた人と答えなかった人に違いがないとは限りません。AAPORの調査に関する指針も、回答率だけで調査の質を判断せず、対象や質問方法などを併せて確かめる重要性を示しています。

グラフのすぐそばに、数え方を置く
棒グラフに「75%」だけを大きく置き、対象人数を別ページの末尾へ送ると、数字だけが切り取られて伝わります。グラフの下に「対象:調査時点の社員40人/回答:24人/回答率:60%/設問『仕事で困ったとき、相談相手を見つけやすいですか』/『そう思う』18人(回答者の75%)」のように、同じ視野で読める短い注記を置きます。実際の掲載では会社の調査票と集計結果に置き換えます。
実施した年月と調査方法も示します。採用サイトが更新されても、数年前の回答を現在の職場の数字として読ませないためです。設問ごとに無回答があれば、その設問に答えた人数を分母にして表示し、全体の回答者数と混ぜません。選択肢をまとめて表示する場合は、どの回答を含めたかも明記します。英国国家統計局の調査案内ガイドでも、調査対象や回答率、その計算方法を読者に示すことが勧められています。

数字の使い道を、応募者の判断に合わせる
社員アンケートは職場の一面を伝えられます。ただし、一つの設問の結果だけで「誰にとっても相談しやすい職場」と言い切る材料にはなりません。たとえば相談のしやすさを示すなら、集計の横に、入社後に相談する相手や面談の機会を具体的に説明します。社員の声を載せる場合も、個人の経験と集計結果を区別します。応募者が仕事や職場を確かめる入口として使える形です。
公開前には、人事担当が元の調査票、対象者の範囲、回答記録、集計表を照らします。少人数の部署や属性別の内訳で誰の回答か推測できる場合は、区分をまとめるか、その内訳を出さない判断が必要です。匿名化した集計だけを制作に渡し、数字を確定した担当と公開文面を確認します。実際の記録を確認できないなら、具体的な割合を作って掲載しません。
Bämの求人・採用サイト制作では、仕事内容や人、職場、条件を応募者が理解できる構成を考えます。社員アンケートを使う場合は、質問文と集計の根拠を確認したうえで、数字の意味がグラフと本文から伝わる見せ方を相談できます。
参考資料
資料確認日:2026年9月26日。40人・24人・18人の集計は説明用の架空例です。
