ネット販売が売れない原因はなに?改善策を徹底解説

はじめに

ネットショップを立ち上げたものの、期待していた売上が一向に伸びず苦労している中小企業は少なくありません。アクセス解析を見たくても、どの指標をどのように判断すればいいのか難しいと感じる方も多いでしょう。さらに、広告やSNSに取り組んだのに思うような成果が得られず、「なぜ売れないのか」がわからないという声もよく聞かれます。

そこで本記事では、ネット販売が思ったように伸びない代表的な原因を整理しながら、アクセス解析の見方やSNS運用のポイント、そして具体的な改善策について解説していきます。売れない原因を一つひとつクリアにすることで、効果的な施策を打ち出し、安定した売上増につなげる道筋を探っていきましょう。


ネット販売が売れない代表的な原因

ネットショップの売上が思うように伸びない理由は一つだけとは限りません。複数の要素が絡み合っている可能性が大いにあります。ここでは、一般的によく挙げられる原因を整理します。

1. 商品・サービスの魅力が伝わっていない

ネットショップでは、実店舗と異なり、ユーザーに直接接客をして商品の良さをアピールすることが難しいです。そのため、商品の魅力がしっかりと伝わらないまま、サイトを離れてしまうケースがあります。写真や説明文のクオリティが低かったり、情報が不十分だったりすると、ユーザーは購入をためらいます。

2. ウェブサイトの使い勝手に問題がある

ページが複雑で目的の商品にたどり着きにくい、決済フローがわかりにくいといったUI/UX面の課題があると、ユーザーは離脱しやすくなります。特にスマートフォンでの操作性は非常に重要です。

3. 集客チャネルが限定的

ネットショップへの来訪は、検索エンジンやSNS、広告など多方面からの流入が期待できます。しかし、自社サイトへの導線をSNSだけに頼っていたり、広告のみでアクセスを稼ごうとしたりしている場合、そこが弱点になることがあります。多角的なチャネルを活用しないと、どうしてもアクセス数そのものが伸び悩みます。

4. コンテンツ不足

サイト内の情報やコンテンツが少ないと、検索エンジンで上位表示されにくく、ユーザーの信頼も得にくいです。商品説明に加えて、ブログ記事や特集ページを充実させ、ユーザーにとって有益な情報を提供できるかどうかが重要です。

5. 適切なターゲット設定・販促計画の欠如

誰に何を売るのかが曖昧だと、サイト全体のメッセージがぼやけてしまい、ユーザーに響きにくいです。ターゲット層を明確にし、魅力を効果的に伝える販促計画を立てる必要があります。

主な原因を整理したチェックリスト

原因症状チェックの目安
商品・サービスの魅力不足ページ滞在時間が極端に短い、商品ページの閲覧数が少ない商品ページの平均滞在時間を確認し、競合と比較する
サイトの使い勝手の問題カート放棄率が高い、離脱率が高いスマホ表示で使いにくくないかテストする
集客チャネルの限界アクセス数が少ない、特定チャネル経由の流入に偏りすぎているどのチャネルからの流入が多いか、GAなどのレポートでチェックする
コンテンツ不足オーガニック検索(自然検索)からの流入が少ないサイト内のテキスト量やブログ記事の更新頻度を確認する
ターゲット・販促計画が曖昧ペルソナが不明確、サイト全体のメッセージがぼやけているビジネスコンセプト、商品の特長を再度言語化し、狙うべき客層を見直す

アクセス解析を活用した原因特定のポイント

ネット販売が伸び悩む原因をより正確に把握するためには、アクセス解析ツールの活用が欠かせません。アクセス解析ツールを使えば、訪問者数や滞在時間、カート放棄率などを細かく把握できます。しかし、初心者の方には指標の多さが逆にハードルになることも多いです。そこで、初心者でもチェックしやすい指標と、その活用方法を見ていきましょう。

1. PV(ページビュー)とセッション数

サイト全体のページがどれほど閲覧されているかを把握します。ここで大事なのは「サイト全体の傾向」と「商品ページへの流入状況」です。

  • サイト全体のPVが極端に少ない → そもそも訪問者が来ていない可能性大
  • 商品ページへの流入が少ない → サイト内導線や検索からの流入が弱い可能性

2. 直帰率(Bounce Rate)

直帰率が高いページは、ユーザーの興味を引き付けられていないか、使い勝手に問題がある可能性があります。特にトップページや主要ランディングページの直帰率は要チェックです。

3. カート放棄率

商品の詳細ページからカートに入れた後、実際の購入に至らず離脱してしまうケースです。カート放棄率が高い場合は、決済フローに問題があるか、送料や決済手数料などでユーザーが抵抗を感じていることが考えられます。

4. 流入経路(チャネル別セッション)

検索エンジンからの流入が多いか、SNSからの流入が多いか、広告のクリックからの流入が多いかを把握します。偏りすぎはリスクを高める要因になるため、複数チャネルを活用できているかを確認しましょう。

5. 成約率(コンバージョン率)

最終的にユーザーが購入に至る割合です。アクセスが一定数あるのに成約率が低い場合は、サイトのUI/UXや商品情報に問題がある可能性があります。

アクセス解析の主な指標と活用方法

指標概要活用方法
セッション数ユーザーがサイトを訪問した回数宣伝効果や認知度を把握するための基本指標。増減の原因を探る際に使う
ページビュー数(PV)ページが閲覧された総回数コンテンツや商品ページへの誘導施策の効果を確認する
直帰率訪問者が最初のページだけ見て離脱した割合直帰率が高いページは内容が不十分か、導線が悪いなどの改善余地がある可能性
カート放棄率カートに入れたのに購入まで至らなかった割合決済や送料の問題、会員登録の強要など、ユーザーが離れる要因を洗い出す
コンバージョン率訪問したユーザーが購入(その他目的達成)に至った割合販売戦略やページ構成の最終的な評価指標。改善策の成果を測定する際に重要
流入経路(チャネル)検索エンジンやSNS、広告など、どこからサイトに来たかの内訳単一チャネルに依存しすぎていないかチェックし、多面的な集客施策を検討する

広告やSNSの落とし穴と改善のヒント

広告やSNSに力を入れているのに売上が上がらないという場合、以下のような落とし穴が考えられます。

1. 広告のターゲティングがずれている

広告を出しても、実際に興味のないユーザーに対して配信されていると、費用対効果は低くなります。ターゲットの年齢層や地域、興味関心などがしっかりマッチしているかを再確認しましょう。

2. SNS運用が情報発信だけで終わっている

SNSを通じたコミュニケーションは、フォロワーとの交流が鍵です。単にセール情報を流すだけでなく、ブランドのストーリーを語ったり、ユーザーの声に返信したりと、コミュニケーションの場として活用することで信頼関係を深めることができます。

3. 表現やタイミングが合っていない

SNSの投稿タイミングはユーザーのアクティブな時間帯に合わせる、ビジュアルの統一感を出すなど、細かい点も売上に影響します。特に写真のクオリティやコピーライティングは、ユーザーの関心を引くうえで非常に重要です。

SNS運用のメリット・デメリット

項目メリットデメリット
SNS全般・無料で始められる
・ユーザーとの距離が近い
・更新作業の手間がかかる
・炎上リスク
Facebook・中高年層にも比較的リーチしやすい
・コミュニティ機能で濃いファンを育成可能
・若年層の利用が少なくなりつつある
Instagram・ビジュアル重視で商品を魅力的に見せやすい
・若年層へのアプローチに強い
・写真や動画のクオリティを維持する必要がある
・投稿頻度を保つ必要がある
Twitter・拡散力が高い
・時事ネタを活かしやすい
・炎上しやすい
・文字数制限があるため深い情報発信には不向き
YouTube・動画コンテンツで詳細に商品を説明できる
・検索エンジンでの露出も期待できる
・動画制作のハードルが高い
・定期的な更新が困難な場合が多い

効果的な施策を実行するための具体例

ネット販売が売れないと感じたときに実践したい改善アクションをいくつかご紹介します。

1. 商品ページの強化

  • 商品の魅力をわかりやすく表現する
    商品写真は様々な角度や利用シーンを載せるようにしましょう。説明文はスペックだけでなく、使用感や活用シーンなどを盛り込むと良いです。
  • 第三者の声(口コミ・レビュー)の掲載
    一般的にユーザーは他の購入者の声を参考にします。レビューが少ない場合は、購入者に簡単なレビューを書いてもらう仕組みを整えることも重要です。

2. UI/UXの改善

  • サイトデザインと導線の見直し
    迷わずカートに進める導線を用意しましょう。最小限のクリック数で購入できるかがポイントです。
  • スマートフォン対応
    多くのユーザーがモバイルでアクセスする時代です。画像サイズや文字の大きさなど、モバイルでの使いやすさを常にチェックしてください。

3. アクセス解析で問題箇所を特定し、対策を打つ

  • 直帰率が高いページ → タイトルやデザインを見直す
  • カート放棄が多い → 決済方法の種類を増やす、送料設定や手数料を見直す
  • 流入チャネルが少ない → 新しいSNSや広告手法をテスト

4. コンテンツ拡充とSEO対策

  • ブログやコラムの充実
    商品に関連する情報や使いこなし術、業界のトレンドなどを発信していくと、検索エンジンからの流入が増えるだけでなく、ユーザーの滞在時間も増やせます。
  • キーワード選定
    商品名やブランド名だけでなく、ユーザーが抱える課題やニーズに関連するキーワードを探して、コンテンツに自然に盛り込むことが大切です。

5. SNS運用の見直し

  • 投稿プランの作成
    週に何回、どの時間帯に、どんな内容を投稿するのか計画を立てて運用しましょう。
  • 顧客とのコミュニケーション
    コメントやメッセージには可能な限り返信し、フォロワーとの関係を深めていくことが重要です。

6. リピート購入を促す工夫

  • メールマガジンや会員向け情報発信
    新商品やお得な情報を定期的に発信して、再来訪を促します。
  • クーポンやポイント制度の導入
    繰り返し購入してもらうための仕組みを整えることは、長期的な売上向上につながります。

まとめ

ネット販売が売れないと感じるときは、まずは原因を多角的に洗い出すことが大切です。商品ページの情報不足やサイトの使い勝手、ターゲット選定のずれ、アクセス解析の見方など、盲点はいろいろあります。しかし、一つずつ原因をつぶしていけば、ネットショップの成長は十分に期待できます。

特にアクセス解析を使いこなせるようになると、「どこでユーザーが離脱しているか」「どのチャネルからの流入が弱いか」を把握し、具体的な対策を立てやすくなります。また、SNSや広告の運用も、興味関心のある層に適切にアピールできるよう見直すことで効果が表れやすくなるでしょう。

大切なのは、問題を明確にし、改善策を実践し、結果を分析してさらに改善するというサイクルを回すことです。継続的な改善活動を行うことで、少しずつ売上を伸ばし、ネットショップとしての存在感を高めていきましょう。

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