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2025.04.04
制作・技術

地元イベントを告知するホームページの作り方:初心者でもわかる手順

はじめに

地域でイベントを開催する際、チラシを配るだけでは周知が十分に行き届かず、SNSだけではフォロワーの規模によって情報が限られがちです。さらに観光客や遠方からの参加者を呼び込みたい場合は、イベントの詳細情報(日時や場所、参加方法など)を一元化してわかりやすく発信できるプラットフォームが求められます。そこで注目したいのが、ホームページの活用です。本記事では、初心者でも取り組みやすいホームページ制作の基本フローから、運用のポイントまでを丁寧に解説していきます。


チラシ配りやSNSだけの集客が抱える課題

チラシ配りの限界

イベント告知といえば、やはりチラシやポスターが思い浮かぶ方も多いでしょう。しかし、印刷物には下記のような課題があります。

告知手段メリットデメリット
チラシ配り– 地元の人に直接手渡しできる
– 高齢者にもリーチできる
– 印刷費用や配布コストがかかる
– 迅速な情報更新が難しい
– 再利用・拡散性が低い
SNS– リアルタイムで情報更新可能
– 拡散力に期待できる
– フォロワーが少ないと届きにくい
– 情報が流れやすく、見逃されがち
ホームページ– 詳細情報を体系的に掲載できる
– 過去記事を残せる
– 制作や運用に一定の知識・費用が必要
– デザインや構成が重要

チラシは手渡しで配るため、地域に根差した訴求力がある一方で、費用と労力がかかります。また掲載情報が限られるため、日時が変更になった場合や参加方法の追加があった場合にも情報更新しづらいのがネックです。

SNSの使い方だけでは限界がある

SNSを活用する主催者も増えていますが、主催者のSNSアカウント自体のフォロワーが少ない場合、情報の拡散力はどうしても限定的になります。また、SNSのタイムライン上では情報が次々に流れてしまうため、告知投稿をしてもすぐに埋もれてしまうケースがあります。
イベント概要やアクセス情報などを時系列に関係なく一元管理し、必要なときにすぐ見られる仕組みが求められるのです。


ホームページを活用するメリットと基本フロー

ホームページを作るメリット

  1. 情報を整理しやすい
    イベントの日時や場所、参加方法、注意事項などをまとめて掲載できます。情報の追加・変更にも柔軟に対応でき、常に最新の情報を提供可能です。
  2. 信頼性の向上
    ホームページを持っていると、主催者の本気度や信用度が伝わりやすくなります。公的な印象を与えられるため、初めてアクセスする人の安心感につながります。
  3. 継続的な情報発信
    過去のイベント実績や写真、レビューを蓄積しておくと、次回の開催時に宣伝材料として活用できます。訪問者が「前回はこんな様子だったんだ」と理解しやすくなり、リピーター確保につながります。
  4. 検索エンジンからの集客
    キーワードや地域名で検索する人に対して、的確にアプローチできます。SNSと併用することで多方面からのアクセスが見込めるでしょう。

基本フローの概要

ホームページ制作の流れを大まかに示すと、以下のようになります。

ステップ具体的作業内容ポイント
1. 目的の定義– イベントの種類・開催頻度の確認
– 予算・目標集客人数の検討
目的を明確にし、どのような情報を掲載すべきかを整理する
2. 設計・構成の策定– ページ構成(トップページ、イベント詳細ページなど)の設計
– 必要な機能(地図の埋め込み、問い合わせフォームなど)の確認
訪問者が迷わず情報を得られるよう、シンプルでわかりやすいサイトマップを作る
3. デザイン・制作– デザインコンセプトの決定
– HTML/CSSの実装またはCMSの導入
見やすさと操作性を重視する。写真やビジュアルを効果的に配置する
4. コンテンツ作成– イベント情報の文章化
– 写真・地図・バナー画像などの準備
イベントの魅力が伝わるよう、情報を具体的かつ魅力的にまとめる
5. 公開・運用– ドメイン取得とサーバー設定
– SNSなどへの告知リンク設置
公開後もアクセス解析や更新を行い、常に最新情報を発信できるように維持する

このように、ホームページ制作は「目的を決めて」「構成を考え」「デザイン・制作」「コンテンツ整備」「運用」というフェーズに分けて進めるのが一般的です。


必要な準備と進め方

ここからは、初めてホームページを作る人でもイメージしやすいよう、具体的な準備や手順をさらに掘り下げて解説します。

1. 目的とコンセプトを明確にする

最初に行うべきことは、イベントホームページを作る「目的」をはっきりさせることです。例えば次のような質問を自分に投げかけてみてください。

  • 「地域住民の集客を増やしたいのか、それとも観光客をターゲットにするのか?」
  • 「単発のイベント告知だけでなく、今後のイベントも継続的に告知していくのか?」

明確な目的がないと、どんな情報を掲載するべきか、どれくらいのページ数が必要かなどがぼやけてしまい、途中で行き詰まる原因になります。

2. ペルソナやターゲットを設定する

具体的に「どんな人」に来場してほしいのかをイメージするために、ペルソナを設定します。例えば、「地元の年配者」「地域外からの観光客」「学生や若者層」など、それぞれに響く情報やデザインは異なります。ターゲット像を描くことで、ホームページ内で強調すべき内容が明確になります。

3. ページ構成を考える

ホームページを制作する際は、トップページのほか、イベント詳細やアクセス情報、問い合わせ手段(メールや電話番号掲載など)といった複数ページが考えられます。以下のような構成例を参考にしてください。

  • トップページ:イベントの概要やメインビジュアル、開催日時、会場などの基本情報
  • イベント詳細ページ:タイムスケジュール、ステージ出演者の紹介、過去の様子や写真ギャラリー
  • アクセス情報ページ:地図の埋め込み、公共交通機関の案内、駐車場情報など
  • お問い合わせ・FAQページ:よくある質問のQ&A形式や、連絡先

小規模のイベントであれば1ページにすべて情報をまとめる場合もありますが、複数のイベントをシリーズで開催する場合は、各回の詳細ページを増やすなど柔軟に設計しましょう。

4. CMS(コンテンツ管理システム)の活用を検討する

初心者がホームページを構築・運用するなら、HTML/CSSを一から書くよりも、WordPressなどのCMSを利用すると効率的です。プラグインを活用すれば、アクセス解析やSEO対策、コメント欄の運用も比較的容易に行えます。ただし、テーマ選びや設定には多少の慣れが必要です。


制作時に押さえておきたいポイント

ここでは、実際にホームページを制作する過程で気をつけたい要点をいくつか挙げます。

1. デザインは「読みやすさ」を最優先に

地域のイベント告知サイトの場合、幅広い年齢層やITリテラシーに差がある人たちがアクセスします。そのため、装飾過多で派手さを求めるよりも、文字の大きさや配色、余白の取り方などに配慮した「読みやすい」デザインを意識しましょう。目立たせたい情報(日時・場所・参加方法など)を明確にレイアウトし、訪問者がすぐに必要な情報を得られるよう導線を工夫することが大切です。

2. 写真や動画は適度に挿入

テキスト情報だけでなく、過去のイベントの様子や開催地の写真を差し込むことで、イベントの雰囲気が伝わりやすくなります。ただし、写真を大量に掲載するとページが重くなり、読み込みに時間がかかる場合があります。画像サイズを適切に圧縮し、必要なものだけを厳選するのがポイントです。

3. 地図や交通手段の情報を充実させる

観光客や遠方からの参加者にとって重要なのが、「会場までどうやって行くのか」という点です。地図を直接埋め込むだけでなく、最寄り駅からの徒歩経路やバスの乗り場、駐車場の有無なども詳細に記載すると親切です。スマートフォンで閲覧する人が多いため、タップ1回で地図アプリが開くようなリンクを設置すると便利でしょう。

4. マルチデバイス対応(レスポンシブデザイン)

現在、多くの人がスマートフォンやタブレットからインターネットを利用しています。ホームページがパソコン画面しか想定していないレイアウトだと、文字が小さく読みにくくなる可能性があります。レスポンシブデザイン対応のテンプレートやテーマを使うことで、各種デバイスからの閲覧に対応しやすくなります。

5. イベント更新や管理のしやすさ

ホームページは一度作って終わりではなく、イベント日程の追加や内容の変更など、継続的な更新が必要です。作成時点で更新作業を想定し、管理しやすい仕組みを導入することが、長くサイトを活用するうえで重要です。


運用・改善のコツ

ホームページを公開した後も、より多くの人にイベントを知ってもらうためには運用と改善が欠かせません。以下では主なポイントを紹介します。

1. 適切なキーワード設定

ホームページのタイトルや見出し、本文中には、地元の名称やイベントの特徴的なキーワードを散りばめます。そうすることで、検索エンジン経由のアクセス増加が期待できます。ただし、キーワードを過剰に詰め込みすぎると不自然な文章になるため、読み手に配慮したバランスが肝心です。

2. 定期的な更新

イベントの開催予定や実施レポートを定期的に更新すると、リピーターが増えやすくなります。また、サイトを定期的に更新することは検索エンジン対策としてもプラスに働く傾向があります。過去の写真や参加者の感想を追加するだけでも、新鮮な情報として受け取ってもらいやすくなります。

3. SNSとの連携

SNSを使った拡散とホームページの情報整理は両輪で進めると効果的です。SNS上では短期的かつ拡散力のある投稿を行い、詳細や追加情報を見たい人をホームページに誘導する流れを作ります。SNSのタイムラインで見逃してしまった人も、ホームページを訪れれば詳細を確認できるという仕組みを整えておくと安心です。

4. アクセス解析を活用

ホームページの運用では、アクセス解析ツールを使って「どのページがよく見られているか」「どんなキーワードで検索されているか」を把握すると改善のヒントが得られます。アクセスが少ないページがあれば、タイトルや内容を見直したり、トップページからの導線を強化したりするなどの工夫を行いましょう。

5. トラブルシューティング

運用中には、「ページが表示されない」「画像が正しく読み込まれない」などのトラブルが起きることもあります。問題が生じたら速やかに原因を突き止め、修正する必要があります。特に、サーバーの契約やドメインの更新期限には注意しておきましょう。


具体例:小規模イベントサイトの制作費と運用例

ホームページ制作を検討するとき、どれくらいの費用や期間がかかるのかはよくある疑問です。あくまで概算のイメージですが、簡単な比較表を作りました。

項目内容・作業範囲想定費用運用例
独自ドメイン取得.comや.netなどのドメインを取得年額 数千円程度「イベント名.com」などでブランディングしやすい
サーバー契約レンタルサーバーを利用月額1,000円前後〜サイトの表示速度やサポート内容で選ぶ
デザイン・制作テンプレートをカスタマイズして作成数万円〜数十万円イベントロゴや画像を盛り込んで個性を出す
CMS導入・設定WordPressなどのインストールやテーマ設定デザイン費に含まれる場合あり初心者が管理しやすいテーマを活用
運用・保守定期更新、セキュリティ対策、バックアップ月額1,000円〜(自分でやればほぼ無料)イベントごとに情報更新・写真追加

小規模なイベントであれば「ドメイン+サーバー+CMSのセットアップ+最低限のデザイン作業」で数万円程度の予算から始められるケースもあります。一方で、大規模イベントや本格的なブランドイメージを打ち出したい場合には、プロのデザイナーや開発者に依頼して数十万円以上の費用がかかることも珍しくありません。


まとめ

地元イベントの告知をホームページで行うと、情報を常に最新の状態で提供できるだけでなく、幅広い層にアプローチできるという大きなメリットがあります。チラシやポスター、SNSとの併用はもちろん、ホームページだからこそ実現しやすいデザインや情報体系、検索エンジンからの集客といった強みを活用することで、イベントの集客力を大きく高めることが可能です。

特に観光客や遠方の参加者を取り込みたい場合には、アクセス情報や開催地の魅力をしっかりとアピールするレイアウトを心がけましょう。写真や動画の活用、更新のしやすさなど、初心者であっても少しずつ習得していけば、効果的なサイト運営が実現できます。

ホームページを中心に据えた告知戦略を成功させるためには、単にサイトを作るだけでなく、運用体制の整備と継続的な改善が欠かせません。地元で盛り上がるイベントを目指して、チラシやSNS、そしてホームページの特性を上手に組み合わせ、より多くの人に魅力を届けましょう。