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投稿日:2025.07.29  最終更新日:2025.7.23
マーケティング

地域イベントをSNSで告知して新規顧客を呼び込む方法

地域イベントをSNSで告知して新規顧客を呼び込む方法

はじめに:地域イベント告知とSNS活用の重要性

地域の活性化や売上向上を目指すうえで、イベントの開催は効果的な手段の一つです。特に、地域のお祭りや商店街の催しなど、オフラインの体験を用意することで、新規顧客を呼び込みやすくなります。しかし、実際にイベントを行うだけでは、思うように人が集まらなかったり、一度足を運んだだけで終わってしまったりと、期待する効果が得られないことも少なくありません。
そこで注目されるのがSNSの活用です。SNSは、多くのユーザーが日常的に使用するプラットフォームであり、企業規模を問わず費用を抑えて情報を拡散できる利点があります。投稿の仕方やタイミング次第で、地域限定のイベント情報でも幅広い層に届く可能性を秘めているのです。

本記事では、地域イベントをSNSで告知して新規顧客を呼び込むための実践的な方法を解説します。イベント前・中・後の運用ポイントや具体的な投稿事例など、分かりやすく整理した内容ですので、ぜひ自社やお店の集客施策に活用してみてください。

SNS選定と基本戦略

一口にSNSといっても、プラットフォームごとにユーザーの属性や拡散のされ方が異なります。何も考えずに複数のSNSへ投稿するだけでは、時間と労力ばかりかかってしまいがちです。まずは自社がターゲットとするユーザー層に合ったSNSを選定し、そこにリソースを集中することが大切です。

SNSの特徴を比較する

下記の表は、主要なSNSプラットフォームの代表的な特徴をまとめたものです。自社がアプローチしたい顧客層や、イベントの内容を考慮しながら比較してみましょう。

SNS特徴向いているイベント告知例
Twitter拡散力が高い、リアルタイム性に優れる短期開催・トレンド性の高いイベント(季節限定商品フェア、急なコラボイベントなど)
Facebook地域コミュニティとの親和性が高い、ユーザーの年齢層が比較的高め地域住民向けイベント(町内会祭り、商店街セールなど)
Instagramビジュアル重視、若年層~中堅層への訴求が強い華やかさやデザイン性が求められるイベント(フォトスポットがある催し、限定グッズ販売など)
YouTube動画を使った詳しい紹介が可能、検索エンジンとの相性が良い規模の大きいイベントや事前告知動画を作成できるもの(フードフェス、音楽ライブなど)
TikTok短い動画コンテンツでバズを狙いやすい、若年層へのリーチがしやすい流行を取り入れやすい内容(ダンスイベント、コスプレ大会など)、短いPR動画で興味をひきやすいもの

上記のように、それぞれのSNSが持つ強みと利用ユーザー層が異なるため、イベント内容や想定来場者の年代、興味関心に合わせて選び分けることが大切です。例えば、親子連れが多い地域の祭りならFacebookやInstagramが効果的と考えられますし、若者向けの音楽イベントを運営するならTwitterやTikTokを利用するほうが拡散力が高いかもしれません。

基本戦略:まずはターゲット層を明確にする

自社やお店が把握している顧客データや、これから取り込みたい層を整理してみましょう。性別や年齢層、興味関心などを明確にすることで、適切なSNSプラットフォームの選択につながります。また、イベント告知の目的も「新規顧客に知ってもらう」「地域のリピーターを増やす」「特定の商品やサービスをPRする」など多岐にわたるでしょう。目的によって情報発信の内容やトーンが変わってきますので、SNS活用の基本戦略をしっかり固めることが重要です。

効果的な投稿内容・タイミング・ハッシュタグ活用

SNSでイベントを告知する場合、単に「イベントを開催します」と投稿するだけでは不十分です。ユーザーが「行ってみたい」「参加してみたい」と思えるよう、具体的な内容や魅力的な要素を盛り込みましょう。たとえば写真や動画を使ってイベントの雰囲気をイメージさせたり、開催日時や場所をわかりやすく示したりするのは基本です。

投稿内容の工夫

  • イベントの背景やストーリー
    なぜそのイベントを行うのか、どんな思いがあるのかを短くまとめる。地域貢献や季節のテーマなど、ユーザーが共感しやすい要素を盛り込むと良いでしょう。
  • 視覚的インパクト
    写真や動画、デザイン性のある告知画像などを用意して、投稿を目立たせる。SNSユーザーはスクロールして情報を流し見することが多いため、目にとまる工夫が重要です。
  • 特典や限定要素
    早期申込割引、SNSフォローでクーポン配布など、特別感のあるアクションを盛り込むことで参加意欲を高められます。

投稿のタイミングと頻度

SNSはタイムライン型で流れていくものが多く、投稿のタイミングや頻度によって見られる回数に大きな差が出ます。以下の表は、イベント期間を基準にしたおおまかな告知スケジュールの例です。もちろん実際には、イベントの規模やターゲットに応じて調整が必要ですが、一つの目安として参考にしてください。

タイミング投稿内容例
イベント3週間前イベントの概要告知、開催日時や場所、参加方法などの基本情報
イベント2週間前イベントの見どころ、主なプログラムの紹介、写真や動画など
イベント1週間前特典や割引情報、限定グッズ紹介、早期申込締め切りのアナウンス
イベント直前再度日時・場所を強調、SNSフォロワー向けにリマインド投稿
イベント当日現地の様子をライブ配信や写真で紹介、ハッシュタグをつけて拡散
イベント終了直後来場者へのお礼、今後の関連イベントやリピーター特典の予告

タイミングを変えながら複数回告知すると、「知らなかった」「忘れていた」という人を取りこぼすリスクを下げることができます。一方で、過度に頻繁な投稿はフォロワーの負担となる場合もあるため、投稿ごとに目的や内容を少しずつ変えながら工夫しましょう。

ハッシュタグの活用

ハッシュタグはSNS上で関連する話題をまとめやすくする機能です。独自のハッシュタグを作る場合、覚えやすく短いものを使いましょう。イベント名や地名、年号などを組み合わせるとユニークになりやすいです。さらに、一般的によく使われるハッシュタグ(例:#イベント #地域情報)なども合わせて使うことで、より多くのユーザーに見つけられる可能性が高まります。

イベント前・中・後の運用ポイント

イベントのSNS活用は、開催前だけでなく当日や終了後も重要です。それぞれのフェーズで狙うべき目的が異なるため、意識して情報発信を行いましょう。

イベント開催前

  • 事前の盛り上げ
    イベントまでの日数カウントダウン、ゲストや出演者の発表、コンテンツの一部を先行公開するなど、徐々に盛り上げていくと効果的です。
  • ターゲット層への細やかなアプローチ
    イベントのテーマに興味を持ちそうなコミュニティやグループに参加し、情報を共有する。Facebookの場合は地域コミュニティグループなどを探して参加すると良いでしょう。
  • 協力者やインフルエンサーとの連携
    イベントに関係のある協賛者や地元の有力者(インフルエンサー)と連携し、SNSで相互に投稿をシェアし合うと告知範囲が広がります。

イベント開催中

  • リアルタイム投稿・ライブ配信
    その場の様子を写真や動画で投稿し、参加していない人にも雰囲気を伝えます。急に空き時間ができた人が「行ってみよう」となるケースも期待できます。
  • ハッシュタグの誘導
    会場内にハッシュタグを掲示したり、アナウンスで積極的に使ってもらうよう呼びかけたりしましょう。来場者自身が写真や感想を投稿してくれれば、SNS上で自然な拡散が期待できます。
  • フォロワー獲得施策
    イベント会場でSNSのフォローを促すキャンペーンを行うことで、今後のファン化に役立ちます。例えば、フォロー画面を提示すればドリンクサービスが受けられるなどの特典を用意する方法があります。

イベント終了後

  • 参加者へのお礼とフォローアップ
    イベント終了後に感謝の投稿を行うことで、参加者とのコミュニケーションが続きます。写真や動画をまとめて公開し、思い出を振り返る機会を提供するのも良いでしょう。
  • 次のイベントや商品・サービスの予告
    続けて興味を持ってもらうため、今後の予定や関連商品などの情報を少しだけ公開しておくとリピーター獲得につながります。
  • アンケートやフィードバックの収集
    イベントの感想や改善点をSNS上で募集し、サービス向上に生かします。ユーザーは自分の意見を反映してもらえると感じ、よりファン化しやすくなります。

具体例や注意点

ここからは、地域イベントをSNSで告知する際の具体例や注意点を挙げてみます。

  • 地元の名所を絡めたSNSキャンペーン
    例えば「地元の名所を巡るスタンプラリーイベント」を開催する場合、Instagramで写真を撮ってハッシュタグをつけると景品がもらえる企画を考えるなど、ユーザー参加型のコンテンツを意識すると楽しさが増し、拡散も期待できます。
  • 地元メディアとの連携
    地方の新聞や情報サイト、コミュニティFMなどとも協力し、SNSアカウントへの誘導を図りましょう。SNSアカウントでイベント詳細を確認できるようにすれば、オフラインからオンラインへスムーズな流れができます。
  • 法令やマナーへの配慮
    屋外イベントの場合は騒音対策、近隣住民への配慮が欠かせません。SNSでの発信が活性化しても、現地でのトラブルが起こると評価が下がりかねないので、注意事項や禁止事項はしっかり周知しましょう。
  • ネガティブコメントへの対応
    SNS上で批判やクレームが書き込まれる可能性もあります。事実誤認には丁寧に正しい情報を返す、謝罪すべき点があれば真摯に対応するなど、適切なリプライを心掛けましょう。炎上を防ぐためには、あらかじめ対応フローを決めておくのがおすすめです。

以下の表は、イベント前・中・後のSNS発信において特に気をつけるべきポイントを整理したものです。参考にして運用に生かしてください。

フェーズやるべきこと注意点
イベント前・ターゲット層に合わせた告知内容・特典や期限、場所情報を明確に
・カウントダウンで興味を引く・告知しすぎによるフォロワー離れに注意
イベント中・会場の様子をリアルタイムに伝える・撮影禁止エリアやプライバシーに配慮
・ハッシュタグの周知・混雑時はSNS対応が後手に回らないようスタッフ配置
イベント後・お礼投稿や写真・動画のシェア・写真に写る人物への肖像権配慮
・今後の関連情報の予告・フォローアップが遅れないようスケジュール管理

まとめ

地域イベントをSNSで告知し、新規顧客を呼び込むためには、以下の点が重要です。

  • ターゲット層に合わせたSNSプラットフォームの選定
  • 投稿の内容・タイミング・頻度の計画的な運用
  • ハッシュタグやビジュアルなど、SNSならではの拡散しやすい要素の活用
  • イベント前・中・後での情報発信とフォロワー育成

オフラインの活動とオンライン発信を上手につなげることで、イベントそのものの集客力を高めるだけでなく、来場者との関係を継続しやすくなります。SNSをきっかけに知ってもらい、実際に来場し、また次回にも足を運んでくれる――この流れができれば、地域イベントをきっかけとした長期的な顧客獲得につなげられるでしょう。