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投稿日:2025.03.27  最終更新日:2025.7.8
ネットショップ

ショッピングカート選びで迷わない! ネットショップ初心者が今日からできるシンプル判断法

ショッピングカートの種類が多すぎて選べないときの指針

はじめに

「ネットショップを始めたいけれど、ショッピングカート(ECカート)が多すぎて選べない」――そんな声を毎日のように耳にします。月額0円からハイエンドまで幅広いプラン、クラウド型・オープンソース型・パッケージ型という提供形態、さらには決済手数料や追加アプリ料金など費用体系もまちまち。

筆者が支援した中小企業でも「安いから」と飛びついたサービスが半年後には容量不足で乗り換え**、あるいは「高機能すぎて操作が難しい」と放置されるケースが後を絶ちません。こうした“選定疲れ”を防ぐには「自社が何を優先したいか」を先に言語化し、そこに合うカートを逆算で探すのが近道です。

本記事では専門用語を極力避けながら、最新のカート事情と具体的な判断フローを紹介します。途中には実際にあった小さなお店のエピソードも織り交ぜるので、ぜひ“自分ゴト”として読み進めてください。

カート選定が難しく感じる主な理由

  • サービス数が年々増加している
    2025年1月時点で国内外の主要カートは30社以上。比較記事だけでも数百本がヒットし、「結局どこが違うの?」と混乱しやすい。
  • 費用構造が複雑
    初期費、月額、決済手数料、アプリ課金など項目が多く、総コストをイメージしづらい。
  • 機能と操作性のトレードオフ
    機能を増やすほど画面は複雑になりがちで、初心者ほど「宝の持ち腐れ」になりやすい。
  • “口コミ万能説”の落とし穴
    他社の成功事例が自社にマッチするとは限らず、鵜吞みにすると失敗する。

失敗しかけた“街の焼き菓子店”の例

兵庫県で焼き菓子を販売する「ココロブレッド」さんは、SNSで評判の某ASPカートを導入したものの、デザイン変更にはHTML/CSSの知識が必要と判明。結局、業務時間の多くを改修に奪われ、肝心の商品アップが後回しになったそうです。事前に「デザインを自力で触るか」「外注するか」を決めていれば、別の選択肢もあったはず――という典型例です。

まずはカートの“タイプ”をざっくり理解しよう

クラウド(ASP)型

  • サーバー不要で登録したその日から販売開始できる手軽さ
  • 自動アップデートでセキュリティも最新
  • ただし細かいカスタマイズは制限されがちで、機能追加はアプリ課金になるケースが多い

オープンソース型

  • ソースコードを自在に編集でき、独自機能やデザインをとことん追求できる
  • 運用コストはサーバーや保守を外部委託するとやや高騰
  • エンジニア不在の企業にはハードル高

パッケージ型

  • 必要機能が最初から揃っており、短納期でスタート
  • サポートが手厚い分、初期費用が高額になりやすい
  • ベンダー依存が強く、大幅改修には追加費用がかさむ

選ぶ前に決めたい五つのこと

「機能が多い=良いカート」ではありません。以下の五つを先に決めると、候補は一気に絞れます。

  1. 費用上限(初期+月額+手数料)
    例:初期10万円以内/月額5千円以内/手数料3.5%以下
  2. 必要最低限の機能
    例:クレジット決済・在庫連携・スマホ対応
  3. 将来追加したい機能
    例:定期購入、海外販売、ポイントシステム
  4. デザイン自由度へのこだわり度合い
    例:ブランドイメージを優先→HTML/CSS編集可が必須
  5. 運用体制とサポート希望
    例:EC担当が1人→チャット/電話サポートがあるサービス

この“五角形”のバランスを先に描いておくと、「費用は安いが機能が足りない」「高機能だがサポートが薄い」といったギャップが可視化できます。

主要カートサービスの特徴をサクッと把握

サービス名初期費月額めやす強み向いている企業規模
Shopify0円3,650円〜世界標準の豊富なアプリ、越境ECに強い中規模〜大規模
BASE0円0円〜とにかく簡単、SNS連携◎個人〜小規模
STORES0円2,980円〜テンプレ充実、スマホ完結個人〜小規模
カラーミーショップ3,300円〜4,950円〜コスパ高、HTML/CSS編集も可小〜中規模
makeshop11,000円〜12,100円〜BtoB・大規模向け機能が豊富中〜大規模

豆知識:2025年の国内比較記事では、この5社が“検討リストの常連”として必ずランクイン。まずはここから触ってみると全体像がつかめます。

事例で学ぶ“規模別”おすすめシナリオ

個人クリエイター・副業レベル

  • BASE/STORES フリープラン
    • 初期ゼロ・月額ゼロで始められる
    • 決済手数料はやや高いが、リスクもゼロ
    • 例:アクセサリー作家がマルシェイベントに合わせてオンライン販売を開始

年商1,000万〜5,000万円規模

  • カラーミーショップ+HTML/CSS編集
    • 月額約1万円以内でテンプレ&独自デザインを両立
    • サブスク拡張アプリで定期購入にも対応
    • 例:地元ベーカリーがパンの定期便を開始しリピーター売上が1.3倍に

年商1億円超、越境ECあり

  • Shopify Standard以上/makeshop エンタープライズ
    • 複数言語・多通貨・ERP連携など拡張が容易
    • 外部パートナーと組めば、D2Cブランドのグローバル展開も可能
    • 例:国産アパレルが海外向けラインをShopifyで開設し、全売上の25%を海外が占めるように

乗り換えを検討するときの注意点

  • 商品情報の移行はCSVフォーマットが合うか事前確認
  • SEO評価の引き継ぎには301リダイレクト設定が必須
  • 決済契約の再審査で数週間かかる場合があるため、繁忙期は避ける
  • 外部連携ツール(会計・物流)が対応しているか要チェック

導入ステップとチェックリスト

  1. 目的・優先度を紙に書く(五角形バランス)
  2. 公式サイトで料金プランを比較
  3. 口コミや成功事例を複数参照
  4. 無料トライアルで管理画面を触る
  5. 総コスト試算を表計算で可視化
  6. サポート窓口に質問しレスポンスを確認
  7. 社内外ステークホルダーへ説明・稟議
  8. 導入&初期設定
  9. 商品登録/決済テスト
  10. 公開後は週次で分析→改善

この流れを守るだけで、「なんとなく評判が良さそうだから」という曖昧さはほぼ解消できます。

導入後に伸ばす五つの運用ポイント

  • 商品ページのSEO最適化
    • タイトルに「商品名+キーワード+型番」を含める
    • 画像ALTタグも日本語で入れる
  • 決済・送料の定期見直し
    • コンビニ後払いなどニーズが高い決済手段を追加
    • 一定額以上送料無料でカゴ落ち率を改善
  • マーケティング連携
    • メルマガやLINE公式でクーポン配布
    • SNS連携アプリでUGC(利用者投稿)をサイトに自動表示
  • 機能アップデート追従
    • ShopifyのAI商品説明生成など新機能は早めに試す
  • 分析ツール活用
    • カゴ落ち率、購入率、LTVをKPI化し、毎月改善サイクルを回す

よくある質問(FAQ)

Q. 無料カートと有料カート、どちらを選ぶべき?
A. 初期リスクを抑えたい場合は無料 → 売上が月商30万円を超えたら有料プランで手数料を下げるのが一般的。

Q. セキュリティはどう確保すればいい?
A. SSL対応は必須。クラウド型はベンダーが更新してくれるが、オープンソースは自分でパッチ適用が必要。PCI DSS準拠の決済を選べば安心。

Q. 越境ECを考えているが最初から多言語対応すべき?
A. 国内実績が月商100万円を超えてからで十分。まずは国内でオペレーションを固め、越境はShopifyなど多通貨対応が簡単なカートに乗せ換える手も。

まとめ

ショッピングカート選びに迷ったら、まず**「目的・費用・機能・デザイン・サポート」の五角形**を描いてみてください。そこに合うカートは自然と数社に絞れます。

  • 個人・副業 → 無料ASP(BASE/STORES)
  • 小〜中規模EC → カラーミーショップ、Shopify Basic
  • 大規模・越境 → makeshop、Shopify Plus

導入後は商品ページの最適化・決済拡充・分析改善を回し続けることで、売上は必ず伸びます。この記事が「カート選定で立ち止まらない」一助になれば幸いです。

この記事は2025年7月時点の情報を基に執筆しています。サービスの料金・仕様は変更される場合がありますので、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。