外部ブログから自社ブログへ引っ越ししたい理由と流れ

外部ブログから自社ブログへ移行するメリット

外部ブログサービスを利用していると、シンプルな操作感や集客効果が得られる場合があります。しかしながら、あくまでも他社の運営するプラットフォームであるため、将来的な拡張性やブランディングを考慮すると限界を感じることも少なくありません。ここでは、自社ブログに移行する代表的なメリットをいくつか挙げてみます。

1. ブランディングの強化

外部ブログサービスでは、基本的に運営会社のドメインを利用するため、自社独自のブランディングが十分に伝わりにくい場合があります。一方、自社ブログは自社ドメインで運用するため、訪問者に与える印象や信頼感が高まりやすいのが特徴です。企業名やサービス名と関連したドメインを使用することで、読者が記事を目にしたときに「どの企業のサイトなのか」を直感的に把握しやすくなります。

2. SEOにおける評価の一元化

外部ブログでどれだけ良質な記事を積み上げても、最終的に評価されるドメインは外部ブログのものです。長期的に見れば、自社ドメインにコンテンツを蓄積したほうが、検索エンジンからの評価も高まりやすいと考えられます。自社ブログに移行することで、自社サイト全体のドメインパワーを強化し、検索順位向上に役立てることが期待できます。

3. デザインや機能の自由度が高い

外部ブログサービスでは、提供されるテンプレートや機能にある程度の制限があるため、「もっとこうしたいのに…」と感じることがあるかもしれません。自社ブログであれば、テンプレートや機能を自社に最適化することが可能です。たとえば、商品紹介用の特別なレイアウトを作成したり、問い合わせフォームを設置したりと、運用方針に合わせた自由なカスタマイズができます。

4. プラットフォーム依存のリスク回避

外部ブログサービスは運営会社の方針変更やサービス終了に左右されるリスクがあります。突然の仕様変更でこれまでのデザインが崩れたり、最悪の場合、プラットフォーム自体が廃止される可能性もゼロではありません。自社ブログに移行しておけば、このようなリスクをある程度コントロールできるため、長期的に安定した運用をめざせます。

5. ユーザー体験の向上

外部ブログと自社公式サイトが分散していると、ユーザーが行き来する際に離脱してしまう原因になることがあります。自社サイト内にブログを統合すれば、情報提供からサービス案内までワンストップで流れを作りやすく、ユーザーが目的の情報にスムーズにたどり着けるようになります。

外部ブログ vs 自社ブログ

項目外部ブログ自社ブログ
ドメイン外部サービスのドメイン (例: ameblo.jp など)自社の独自ドメイン (例: example.com)
デザインの自由度テンプレートに依存自由にカスタマイズ可能
SEO効果の蓄積外部サービスが主に評価される自社サイトへ直接評価が蓄積
プラットフォームの安定性運営会社の方針に左右自社でコントロール可能
ブランディング効果サービス名が目立ち、自社ブランドは埋没しがち自社ブランドとしての印象が残りやすい

このように、長期的な事業視点やブランド戦略を考慮すると、自社ブログに移行するメリットはかなり大きいと言えます。

移行前に押さえておきたい準備

移行をスムーズに進めるためには、あらかじめいくつかの準備を整えておくことが大切です。手間を惜しんで準備不足のまま移行を始めると、作業が複雑化したり、検索順位が大きく下落したりする可能性もあるため注意が必要です。

1. 現在のサイト構成とURL一覧の把握

移行作業の基本となるのが、現行サイト(外部ブログ)のURLと、自社サイト側で割り当てる新しいURLの対応関係を整理することです。たとえば、「AmebaブログのこのURLは自社サイトではどこに対応するのか」という対応表をしっかり作成しておくことで、リダイレクト設定などの作業がスムーズになります。

2. ドメイン・サーバーの準備

自社ブログとして稼働させるための独自ドメインやサーバー環境の確認も重要です。すでに自社サイトを運営している場合は、そのサイトとブログを同じドメイン配下に配置するのか、サブドメインを使うのかを検討しましょう。

3. CMSやデザインテーマの選定

WordPressなどのCMS(コンテンツ管理システム)を導入する場合は、どのテーマを使用するか、プラグインをどの程度導入するかなどを早めに検討しておきましょう。デザインテーマによっては、ブログ一覧ページの表示形式や記事詳細ページのレイアウトが大きく変わります。ここで十分に検討しておくと、後から大きく修正する手間を減らせます。

4. 移行スケジュールの作成

特に記事数が多い場合は、すべてを一気に移行するのではなく、段階的に移行する方法もあります。どのタイミングで記事を移し、いつリダイレクトを設定するかなど、日程を具体的に決めておくと混乱しにくくなります。

5. 運用ルールやライティング方針の見直し

せっかく自社ブログを立ち上げても、運用ルールが曖昧だと更新が滞ってしまう恐れがあります。誰がどのように記事を執筆し、どのタイミングで公開するのか、といった運用ルールやライティングガイドラインをあらかじめ作成しておきましょう。

必要な準備項目内容ポイント
URL一覧の把握外部ブログのURLを洗い出し、対応表を作るリダイレクト設定時に役立つ
ドメイン・サーバー自社ドメインの運用方針を決め、環境を整備サイト全体の構成を見据えた設定
CMSの選定WordPressなどを利用するか検討テーマやプラグインにより拡張性が変化
移行スケジュール移行作業の時期を計画一気にやるか段階的に行うか、事前に決定
運用ルールの確認誰がどのように更新するかを明文化移行後も安定して記事を発信できる体制を準備

引っ越しの具体的な手順

実際に引っ越しを行う際は、以下のような手順で進めるとスムーズです。手順を守らずに適当に進めると、検索順位やアクセス数の大幅な下落を招きやすいので要注意です。

1. 新しいブログ環境の構築

まずは自社サーバー上にブログを構築します。すでに自社公式サイトがある場合は、そのサイトと整合性が取れるようにCMSやデザインを調整しましょう。WordPressを導入する場合、事前にセキュリティ関連のプラグインをインストールし、基本的な設定を完了させておくと後々の運用が楽になります。

2. テスト投稿・テストページの確認

いきなり本番に移るのではなく、まずはテスト投稿やテストページの閲覧でレイアウト崩れがないか、プラグインが正しく機能しているかなどをチェックしましょう。デザインテーマを複数検討している場合は、ここで切り替えて比較しながら最適なものを選ぶのも一案です。

3. 記事コンテンツの移行

外部ブログの記事を1件ずつコピペする方法もありますが、記事数が多い場合はブログサービスやCMSが提供しているエクスポート・インポート機能を使えるかどうかを確認しましょう。形式が合わない場合は変換ツールを利用するなど、記事を正確に移行する工夫が必要です。
もしコピペする際は、改行や文字装飾などが崩れないように注意し、必要に応じてHTMLソースを確認しながら移行します。画像ファイルも外部ブログに置きっぱなしにするのではなく、自社サーバーへアップロードし直すことをおすすめします。

4. リダイレクトの設定

すべての記事が新しいブログに移行できたら、旧ブログURLから新ブログURLへリダイレクトを設定します。一般的には「301リダイレクト」を使用し、検索エンジンやユーザーに対して「このページは移転しました」という情報を伝えます。リダイレクトの設定を怠ると、せっかく蓄積してきたSEO評価を無駄にしてしまう可能性が高いので、確実に行いましょう。

5. クロールとインデックスを待つ

リダイレクト設定後、検索エンジンのクローラーが新しいURLを認識し、インデックスを更新するまでにはある程度の時間がかかります。急激な順位変動に一喜一憂せず、数週間から数カ月かけて徐々に安定するケースが多いです。移行直後はアクセス解析ツールなどでエラーが発生していないかを確認し、必要に応じて修正していきましょう。

6. 旧ブログの公開範囲を限定または削除

リダイレクトを完了してしばらく経ち、検索エンジンにも新しいURLがインデックスされたことを確認したら、旧ブログの公開範囲を限定するか、思い切って削除してしまう場合もあります。二重コンテンツを避けるためにも、不要になった外部ブログは適切に整理するとよいでしょう。

リダイレクトやインデックスの注意点

引っ越しの成功と失敗を分ける大きなポイントがリダイレクトとインデックスの管理です。中途半端にリダイレクトを設定したり、インデックス状況を見誤ったりすると、アクセス数や検索順位が大幅に落ち込む可能性があります。

1. リダイレクトは301を基本とする

リダイレクトには「301(恒久的な移転)」と「302(一時的な移転)」がありますが、検索エンジンに正しく移転を伝えるためには301が適切です。302だと「一時的な移動」とみなされるため、SEO評価を移す効果が期待できません。
また、リダイレクト先が存在しないURLになっていないか、設定を間違えていないかをこまめにチェックしましょう。

2. サイトマップの更新

移行後は、サイトマップを作成または更新し、検索エンジン向けに新しいURL構造を明示しましょう。特に大きなサイトの場合、クローラーが効率よく新URLを巡回できるようにサイトマップの整備は重要です。

3. クロールエラーの確認

移行直後は、Search Consoleなどを利用してクロールエラーが発生していないか確認することをおすすめします。エラーが多発すると、検索エンジンからの評価にも悪影響を及ぼしかねません。

4. インデックスの重複を回避

移行作業を完了しても、旧ブログ記事と新記事が同時にインデックスされ続けると、検索エンジンが混乱して評価が分散する可能性があります。一定期間を経たら旧ブログの公開を制限し、適切にリダイレクトを行っているか再確認しましょう。

リダイレクトの種類意味主な用途
301リダイレクト恒久的な移転を示す外部ブログから新ブログへの移行に最適
302リダイレクト一時的な移転を示すキャンペーンページの差し替えなど、一時的措置に適する
404エラーページが存在しないコンテンツ削除時や誤ったURLへのアクセス時に表示される
410エラーページの恒久削除を示す意図的に削除したページを明確に検索エンジンに伝える場合

移行後の運用と改善

無事に移行が完了した後も、適切な運用と改善を続けることで、自社ブログの価値を最大化できます。ここでは、移行後に特に注意しておきたいポイントを紹介します。

1. 定期的な記事更新とリライト

外部ブログから移行した記事だけで満足してしまうと、検索エンジンからの評価や読者の興味を維持しにくくなります。定期的に新しい記事を追加し、既存の記事をリライトして内容をアップデートすることで、常に新鮮な情報を提供できるよう心がけましょう。

2. 内部リンクの最適化

自社ブログ内の記事同士を適切にリンクさせることで、検索エンジンのクローラーが巡回しやすくなり、ユーザーの回遊率も高まります。たとえば、関連する記事同士を相互にリンクする、カテゴリーやタグを整理するなどの施策を検討しましょう。

3. アクセス解析による改善

移行後のアクセス解析結果をもとに、閲覧数が少ない記事や離脱率が高いページの原因を探り、対策を考えることも重要です。狙っているキーワードで想定通りに流入があるか、記事の読みやすさやデザインに問題はないかなどを検証し、改善を繰り返していきましょう。

4. ユーザーからのフィードバック収集

コメント欄や問い合わせフォームなどで、ユーザーの声を定期的にチェックしましょう。読みづらさやわかりづらさを指摘される場合は、記事構成やデザインを見直すきっかけになります。自社ブログならではの柔軟性を活かして、ユーザーの要望に合った改修を施すことが大切です。

5. スマートフォン対応の再確認

近年ではスマートフォンからのアクセスが大半を占めることも珍しくありません。自社ブログに移行した後、デザインがスマートフォン表示で崩れていないか、読み込み速度が遅すぎないかを改めて確認しましょう。モバイルフレンドリーなサイトは検索順位にもプラスに作用しやすい傾向があります。

まとめ

外部ブログから自社ブログへ引っ越しするメリットとしては、ブランディング強化、SEO評価の一元化、デザインの自由度などが挙げられます。しかし、その過程ではリダイレクト設定やインデックス管理など注意すべき点も多く、移行スケジュールや運用ルールをしっかり固めておくことが大切です。
移行後は定期的な記事更新やアクセス解析による改善を繰り返し行うことで、より効果的な集客や信頼性の向上を期待できます。自社ドメインにコンテンツを集約し、企業としての発信力を高める絶好の機会でもあるので、ぜひ戦略的に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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