事業計画の『ネット集客』を具体化する5項目|ホームページ相談前の整理メモ
事業計画書の販促・集客方法へ「ホームページやSNSを使って集客する」と書いたものの、その先の作業が思い浮かばないことがあります。ホームページを作る、SNSを始める、広告を出すといった手段は決まっていても、誰へ何を案内し、どのページへ来てもらい、最後に何をしてもらうのかがつながっていなければ、制作や発信の途中で迷いやすくなります。
これは、事業計画が間違っているからではありません。計画に書く一文と、ホームページで実行する作業では、必要な細かさが違うからです。日本政策金融公庫の創業計画書でも、取扱商品・サービス、取引先、資金計画、収支計画などを分けて整理します。J-Net21も、事業コンセプトを「誰に」「何を」「どのように」という視点で具体化し、販促・集客方法では顧客への販売方法を具体的に考えるよう案内しています。
この記事では、集客手法を増やす前に、計画の一文を相手・困りごと・案内・入口と行動・公開後の確認という5項目へ変えます。全部を一人で決める必要はありません。決まっている部分と、ホームページ制作の相談時に一緒に整理したい部分を分けることが到達点です。
なお、この記事は融資審査の見通しを判断したり、事業計画書を添削したり、売上計画の妥当性を判定したりするものではありません。事業計画に書いた集客の一文を、ホームページ制作で扱える情報へ整理する範囲に限ります。融資、税務、契約などの個別判断が必要な場合は、それぞれの専門家や窓口へ確認してください。
まず、事業計画のどこまで決まっているかを確認する
ネット集客を考える時、いきなり検索順位やSNSの投稿回数から始めると、誰に何を伝えるかが後回しになりがちです。最初に確認したいのは、商品・サービス、優先する相手、選ばれる理由の候補、販売方法や提供地域です。すでに事業計画書へ書いている内容があれば、新しく考え直すのではなく、その記述を出発点にします。
例えば「地域の小規模事業者向けにホームページを制作する」という説明があるとします。このままでも事業の概要は伝わりますが、ホームページの内容を決めるには、開業前の人を優先するのか、古いサイトを見直したい人を優先するのか、文章整理から相談したい人を優先するのかをもう少し分ける必要があります。同じサービスでも、相談前の困りごとが違えば、最初に見せたい説明やよくある質問も変わります。
一方で、細部まで決まっていないこと自体は問題ではありません。「提供地域は決まっているが、最初に案内するサービスを選べていない」「商品の特徴は分かるが、お客様の言葉でどう表現するか迷っている」のように、未決定の箇所を見えるようにします。相談前に完成した資料を用意するのではなく、決めたことと相談したいことを分ける準備だと考えてください。
最初に書き出す5つの材料
- 主な商品・サービスと、おおよその価格帯や提供方法
- 優先して案内したい人や事業者
- その人が相談前に抱えていそうな困りごと
- 選ばれる理由になりそうな経験、対応、考え方
- 提供地域、来店・訪問・オンラインなどの販売方法
分からない欄には「未定」とだけ書くより、「候補AとBのどちらを優先するか相談したい」と書くと、相談時に扱いやすくなります。想定する相手の決め方を詳しく確認したい場合は、ホームページで誰を優先して伝えるかも参考にしてください。
「ネット集客する」を5項目へ変える
ここから、計画の一文をホームページで扱える形に変えます。以下の5項目は、日本政策金融公庫の創業計画書にある正式な記入欄ではなく、一次資料の考え方を参照しながら、Bämがホームページ相談用に整理した独自の作業枠です。媒体を決めるためのチェックリストではありません。相手が情報を知り、内容を確かめ、相談するまでを一列につなぐために使います。
各項目は、最後に一行のメモへします。順に「最初に案内する相手」「相談前の主な困りごと」「最初に伝える商品・サービス」「主な入口・案内先・次の行動・更新担当・続けられる頻度」「検索での接点・サイト内の行動・実際の相談内容の確認」を書きます。決まらない欄は空欄にせず、未決定または要相談と書けば正式な整理結果になります。相手の詳細な絞り込みは優先する相手の記事、数値目標の詳しい設計はKPIの基本の記事へ役割を渡し、本記事では一枚メモに必要な要約だけを扱います。
1.誰へ案内するか
「幅広い人」「企業全般」のような書き方では、ホームページの最初に何を置くか決めにくくなります。年齢や業種だけで絞るのではなく、今どの段階にいて、何に困っている人を優先するかを書きます。例えば「開業準備中で、サービス内容は決まったが、何をホームページに載せるか迷っている人」のように、状況と困りごとを組み合わせます。
対象外の人を強く切り捨てる必要はありません。最初の一ページで誰に向けて説明するかを決めるための優先順位です。複数の相手がいる場合は、最初に公開する時に優先する相手と、後から専用ページを追加する相手に分ける方法もあります。
2.相談前にどんな困りごとがあるか
サービスの特徴だけでなく、読者が検索や比較を始める前後の困りごとを書きます。「ホームページが欲しい」は要望ですが、その前には「名刺へ載せる案内先がない」「紹介された人へサービス内容を説明できない」「問い合わせ前に料金や流れを確認してもらえない」といった状況があります。困りごとが分かると、ページの冒頭で何を説明するかが見えます。
困りごとは想像だけで決めず、実際の相談でよく聞かれる質問、既存顧客が依頼前に迷っていたこと、電話やメールで繰り返し説明している内容を集めます。根拠が弱い時は仮説と書き、公開後の相談内容を見ながら修正します。
3.最初に何を案内するか
商品やサービスが複数ある場合でも、すべてを同じ強さで並べる必要はありません。初めての人が検討しやすいサービス、今後増やしたい相談、事業の特徴が伝わるサービスから入口候補を選びます。詳細が未確定の場合は、J-Net21が商品・サービスの記載で示すように、販売の中心になるものや特徴的なものから説明する考え方が使えます。
ここで大切なのは、売りたいものだけで決めないことです。優先する相手の困りごとと、最初に案内するサービスがつながっているかを確認します。「何を頼めるか」だけでなく、「どのような状況の人に合うか」「相談時に何を確認するか」も添えると、問い合わせ前の不安を減らしやすくなります。
4.どのページから、次の行動へ進んでもらうか
ホームページを作ること自体をゴールにせず、入口と次の行動を決めます。検索結果からお役立ち記事へ来るのか、紹介後にトップページを見るのか、Googleビジネスプロフィールから店舗情報へ来るのかで、最初に必要な説明は変わります。その後、サービスページ、比較材料、よくある質問、相談方法へどう進むかを考えます。
次の行動は問い合わせだけとは限りません。サービス内容を見る、事例を確認する、相談の流れを読む、必要な情報を準備するなど、検討段階に合う一歩を置きます。問い合わせボタンを増やす前に、押す判断に必要な説明がそろっているかを確認します。
5.公開後に何を確認するか
公開後は、アクセス数だけで成否を決めません。検索でどのように見つかったか、サービスページまで進んだか、実際にどのような相談が来たかを分けて見ます。Search Consoleの検索パフォーマンスでは、クリック数、表示回数、クリック率、平均掲載順位、検索語句やページなどを確認できます。ただし、表示回数が増えたことと、相談内容が事業に合っていることは同じではありません。
Bämの運用では、最上位に置くのはBämに合う良い問い合わせです。小規模事業者、個人事業主、開業準備中の人、内容や導線を相談しながら作りたい人からの相談につながっているかを見ます。その前段として、検索表示、記事閲覧、サービスページへの移動、問い合わせ画面への移動を確認します。

媒体名を増やす前に、入口と続け方だけを決める
5項目が見えると、ホームページ、Googleビジネスプロフィール、SNSなどをどこで使うか考えやすくなります。ただし、ここで媒体ごとの費用、長所、短所を比較したり、使える手法を一覧にしたりはしません。その役割はオンライン集客手法の記事へ渡し、本記事では一枚メモに必要な入口と続け方だけを決めます。
書くのは、相手が使いそうな主な入口、その入口から案内するページや情報、そこで取ってほしい次の行動、内容を更新する担当者、無理なく続けられる頻度です。例えば「紹介後にトップページを見てもらい、サービス説明と相談の流れへ案内する。月に一度、担当者が事例を追加する」のように一行へまとめます。
入口が未決定なら、候補を増やすのではなく「既存顧客が今どこから来ているかを確認する」「更新担当と頻度は要相談」と書きます。「SNSを毎日更新すべき」「広告を出せば相談が増える」と決めつけず、相手が使う可能性と、自社が続けられるかの両方を確認します。
媒体を選ぶ時の4つの質問
- 優先する相手は、どこで情報を探したり比較したりするか
- その媒体から、どのページや情報へ案内するか
- 誰が、どのくらいの頻度で内容を更新できるか
- 続ける・直す・止める判断を、何を見て行うか
この4問へ答えられない媒体は、すぐ始めるのではなく候補として残します。媒体数が少ないことより、入口から相談までの説明が途切れていることの方が、検討中の人には分かりにくくなります。
ホームページでは「次に何をしてほしいか」までつなぐ
入口ページへ人を集めても、サービス内容や相談方法が見つからなければ、問い合わせまで進みにくくなります。集客とホームページ制作を別々に考えず、接点、案内ページ、比較材料、相談、振り返りまでを一つの流れとして確認します。
例えば、お役立ち記事で悩みを整理した人に対して、関連するサービスページへの内部リンクを置きます。サービスページでは、対象者、対応内容、進め方、相談時に確認することを説明します。その後、よくある質問や初回相談の流れを示し、問い合わせ画面へ進めるようにします。ページごとに役割を分けると、一ページへ情報を詰め込みすぎずに済みます。
「問い合わせはこちら」だけでは、相談してよい内容や、その後の流れが分からない場合があります。どのような相談を受け付けているか、相談前に決まっていなくてもよいこと、送信後にどのような確認をするかを案内します。ホームページ制作の初回相談で何を話すか不安な場合は、ホームページ制作の初回相談で聞かれることも確認してください。

公開後はアクセス数だけで成功扱いしない
公開直後に数字が小さいからといって、すぐ失敗と判断する必要はありません。検索結果への反映や、読者が検討するまでには時間がかかることがあります。一方で、記事数や表示回数だけが増えても、事業と関係の薄いアクセスばかりなら、良い問い合わせにはつながりません。
確認は三段階に分けると整理しやすくなります。第一段階は、検索結果に表示されているか、どの検索語句やページで見られているか。第二段階は、記事からサービスページや相談案内へ進んでいるか。第三段階は、実際の相談件数と内容が、優先する相手やサービスに合っているかです。
数字が伸びない場合も、すぐ新しい媒体を追加するのではなく、どの段階で止まっているかを見ます。表示が少なければ検索意図や内容を見直し、記事は読まれているのにサービスページへ進まなければ内部リンクや案内のつながりを確認します。問い合わせ画面まで進んでも送信が少ない場合は、相談条件、入力負担、送信後の流れが分かるかを確認します。
実際の相談が来たら、件数だけでなく、どのページを見たか、どの説明が役立ったか、何が分からなかったかを可能な範囲で確認します。この情報は、次の記事やページ改善の材料になります。検索順位を目的に文章を増やすのではなく、想定読者の目的達成に役立つ内容を優先する考え方は、Google検索セントラルが示すユーザー第一のコンテンツ方針とも合います。
そのまま使える「ネット集客の1枚メモ」
次の項目を一枚へ書き出してください。空欄を無理に埋める必要はありません。各項目を「決定」「仮説」「未決定」「要相談」に分けると、ホームページ制作の相談で何を一緒に考えるかが分かります。
- 優先する相手:今どの段階にいて、何に困っている人を先に案内するか
- 相談前の困りごと:検索や比較を始めた理由、繰り返し聞かれる質問は何か
- 最初に案内するもの:どの商品・サービスから説明すると理解しやすいか
- 入口と次の行動:主な入口、案内先、次の行動、更新担当、続けられる頻度を一行で書く
- 公開後の確認:検索での接点、サイト内の行動、実際の相談内容を分けて何を見るか書く
記入例
優先する相手:開業準備中で、サービスは決まったがホームページへ何を載せるか迷っている個人事業主。
困りごと:名刺や紹介の後に見てもらう案内先がなく、サービスの違いを口頭で毎回説明している。
最初の案内:開業前に会社案内と問い合わせ先を整えるプラン。文章とページ構成は相談して決めたい。
入口と行動:「開業前 ホームページ 何を載せる」などの記事からサービス説明へ進み、初回相談の案内を読む。記事更新は月一回を候補とし、担当者は要相談。
公開後の確認:検索での接点は検索語句、サイト内行動は記事からサービスページへの移動、相談内容は開業準備中の相談割合を分けて確認する。
この例をそのまま使うのではなく、自分の事業へ置き換えます。相手が決まらなければ、既存顧客や相談者を二、三種類に分け、最初に説明を整えたい一種類を仮に選びます。公開後に相談内容が違っていれば、文章や入口を見直します。最初から正解を当てる資料ではなく、仮説をホームページの形へ変えて確かめるためのメモです。
相談前に全部を決める必要はない
ホームページ制作を相談する前に、事業計画、ターゲット、強み、文章、写真、導線を完成させようとすると、準備だけで止まることがあります。相談先によって、整理から一緒に進める範囲と、依頼者が用意する範囲は異なります。決められない項目は、何が分からないかを言葉にして相談材料にします。
Bämは、ホームページを作る作業だけでなく、誰へ何を伝えるか、サービスの違いをどう言葉にするか、問い合わせまでの流れをどう整えるかを相談したい人と相性があります。正式な料金、契約期間、サポート、SEOや計測の対応範囲は、相談内容と確認済み資料に沿って整理します。
一方で、掲載内容や仕様が決まっていて実装だけを頼みたい場合、自分で更新や改善を続けられる場合は、別の方法が合うこともあります。大切なのは、媒体や依頼先を増やすことではなく、今の事業で決まっていることと、支援が必要なことを分けることです。
一枚メモを書いた後の進み方は二つあります。五つの項目を自分で整理できた人は、そのメモを使ってページ構成や原稿準備へ進めます。未決定や要相談が残った人は、メモをそのまま相談先へ見せ、どこから一緒に整理するかを確認できます。どちらも正しい終わり方であり、この記事を読んだ人が必ずBämへ問い合わせる必要はありません。
まとめ:集客手法を増やす前に、計画を実行できる言葉へ変える
事業計画へ「ホームページやSNSで集客する」と書いたら、次に相手、困りごと、案内、入口と行動、公開後の確認という5項目へ分けます。これにより、どの媒体を使うかだけでなく、ホームページへ何を載せ、どのページをつなぎ、何を見直すかが分かります。
五つの欄が全部埋まらなくても構いません。決定、仮説、未決定、要相談に分ければ、そのまま初回相談の材料になります。アクセス数だけで判断せず、検索での見つかり方、サイト内の行動、実際の相談内容まで分けて見て改善します。
事業計画の言葉をホームページの内容へ変えるところで止まっている場合は、今ある資料と、まだ迷っている項目を共有してください。Bämでは、掲載内容、言葉、ページ構成、問い合わせ導線をどこから整理するか、現在の状況を確認しながら相談できます。